第漆幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ17)

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第三百一戦目　貴「お説教time！」ページ17

戦国武将に唐突に殴られれば流石の俺も吹っ飛びます。
ドゴォンと俺の背中と庭に生えてたであろう大木がお友達する音を聞いた。
素晴らしい勢いだったらしく、幹にめり込んでいる俺。容赦なしですよねコンチキショウ。
もう一度言うぞ。なんで俺が殴られなきゃならんのじゃ！！

佐助「Aちゃぁぁぁん！！」

幸村「はっ！！某としたことがうっかり！！」

信玄「大馬鹿者めがああああああああ！！」

幸村「ぐわっはあああああ！！」

佐助「ちょ！大将そっち飛ばしたら！！」

多分幸村が殴られたであろう音の後に佐助の大慌ての叫び。
何事だろうと、飛ばされてからこちらようやく目を薄ら開けた。
んん・・・なんか飛んで来てるような。

幸村「がはっ！」

貴「げぼああ！！」

信玄「うっかりしておったわ！！」

佐助「Aちゃあああああああああああん！！」

佐助、二度目の叫び。
いやもう・・・俺ここに長居したら死んでしまうかもしれない。
そう思う俺は、俺の上に張り付いている幸村と一緒にずるずると幹から地面へと落ちて行った。

貴「ホント何考えてんだよ！」

幸村「すまぬでござる」

しょぼんと正座してる幸村の前に仁王立ちの俺。
離れた所で佐助と信玄さんが見てるけど知らんふり。

佐助「うっわー、Aちゃん容赦ないね」

信玄「うむ、わしも説教食らった」

佐助「ええ！？」

信玄「幸村が起きたお陰で解放されたがのう」

聞こえてますよお二方。
まぁ信玄さんに文句言ったのは事実。
意識を二人して失った後、意外に意外、先に目を覚ましたのは俺の方だった。
よって、元からピンピンしてる信玄さんに文句を言ったって訳。
で、そうこうしてたら幸村が「お館さばああああああ！！！」と佐助と共に復活を知らせに来た。
自分からご苦労なこってという事で正座で説教を食らっている彼である。

貴「ギャグ回だからいいけどな、これがシリアスだったらもれなく俺様重態患者だからね？」

幸村「むぅう・・・」

貴「マジで・・・今回はたんこぶだけで済んだからいいけども」

幸村「絶対女人じゃないでござる・・・」

貴「ア゛ァ！？」

幸村「ひぃぃ！！」

小さい声で呟いた言葉はしっかり聞こえてますからね幸村殿？
893もビックリな剣幕で睨むと縮みあがってしまった幸村。
向こうの方で佐助が頭を抱えているのが見える。・・・信玄さんは爆笑してるけど。
その後の説教は、佐助のいい加減やめたげてぇぇという心からの叫びで幕を下ろした。