八百五十三話目 「トドメを刺しに、どこまでも」 ページ8
『普通にスモーカー助けますね』
「ほぉ……」
この答えは想定内。
なんせこいつは元々の設定を知らない。
いや、知っていたとしてもどちらも助けないという選択肢はこいつにはハナからないのだ。恐らくぶら下がっているのが誰であろうと何であろうと、どんなに選べない2人だろうと、どちらか片方を引っ張り上げて、そしてお前は泣きながら絶命するのだろう。自分が死ぬことにではなく、「助けられなかったもう一人」の為に泣きながら。
だが、あのガラが悪い海兵と比べて負けたのは素直に気分が悪い。引き合いに出したのは俺であるが………面白くない。
『いや、崖から落ちて死ぬくらいのルッチさんなら死んだ方がマシですよ』
前言撤回。おい待て。
奴は至極当然と言った顔で言い放った。大前提として既に俺も瀕死だバカヤロウ。
………いや、あまりの返しに飛んでいたが、こいつは設定を知らないんだったな。
というかその解答だとあのガラ悪い奴は崖から落ちたら死ぬのか。そんなに脆いなら今度試すぞバカヤロウ。
しかし、ヤツの言葉をよくよく反芻すれば……どうも可笑しな信頼のされ方をされているようだ。これはまあまあ気分がいい。
「………確かにな」
『あ、そーだ。どうせルッチさん死なないでしょうから、スモーカー引き上げた後に追っかけて俺も落っこちますね。トドメを刺しに』
「……やれるものならな」
………コイツは本当に。
あの女たちが言っていた設定であるとすれば……最後の力でガラの悪い男を引き上げた瀕死のお前は、同じく瀕死の俺を追いかけて身を投げるのか。死にかけの状態で、二人そろって身投げして………トドメもクソもねえだろう。
バカは知らないだろうが、世間ではそういうのは心中と言うんだ。
だがそれも……存外、悪くない気がする。
『な、なんで笑ってるんですか』
「さあな」
お前に言うつもりはないがな。
『……』
「フッフッフッ、睨むなよハニー」
『胸糞悪い場所に呼び出しておいてその態度かクソ鳥。死ぬ覚悟できてんだろうな』
「お前の上で腹上死なら何時でも構わねえぜ？」
『ぶっっっ殺すぞテメェ』
通された部屋で俺の向かいにふんぞり返るピンク色の毛玉もといドフラミンゴを睨みつける。
早口で言い返せばとんでもない言葉を返され思いっきり顔を顰める。それとほぼ同時に斜め後ろに立っているルッチさんも殺気を飛ばしたから俺たちの心は繋がっていると言えよう。
それもこれも、目の前の変態クソ桃色バードのせいだ。
八百五十四話目 「中身は秘密の封筒」→←八百五十二話目 「無駄な事を真面目に考える理由は」
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涙腺崩壊日本人 - 2章まってます！！！！！ (2022年9月9日 21時) (
レス) @page50 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさんの為なら、いや、更新のためなら天に召されても良い、、、、 (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさん好き過ぎる作戦隊長さん、ありがとう感謝します私は貴方のおかげでルッチさんに目覚めることが出来ました！ワンピが帰ってくるのを待つぜ！更新お願いします！！超超超超超超超超超大好きです！ (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
ルッチさぁぁぁん - ホントわかる、、ルッチさん好き (2022年5月11日 23時) (レス) @page44 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
狐竜(プロフ) - ぴゃ！！！？？（大混乱）やった久々の更新！！！ほんともうこのシリーズのルッチさん大好きなんですよ私……嬉しい…！！！ (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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