八百五十話目 「閑話休題 12」 ページ5
深夜の見張り台の上。
双眼鏡を片手に周囲を警戒している俺は立派な海兵だ。憧れの海兵になって一年と少し……まだまだ下っ端だが、目指すは海軍将校。夢はでっかくってところだ。
そして今回の仕事……この船に乗る事ができたのはデカい。
海軍大将の七武海への挨拶回り……こんな大きな仕事に関われるとは。
「……A大将」
知る人ぞ知る四人目の大将、歌龍A。
俺も噂だろうと思っていたが、実在した。俺と同じ年齢、そして美人だ。あれで腕っぷしも強いんだから憧れないわけがない。あわよくばいい感じになれたらなあ……俺、顔いいってよく言われるし。何かいいきっかけさえあれば……。
とか思っていたが、船内ですれ違った時、挨拶されても敬礼しか返せなかった。俺のバカ。
「次こそは……ん？」
船内から甲板に続くドアが開いた。
出てきたのは先ほど考えていたA大将。思わず双眼鏡で見てしまう。こんな時間に何を……あ、でも声をかけるチャンスなのでは！！？
『ルッチさん、早くしてください』
「眠いのに付き合っているんだ、急かすな」
………一人じゃなかったのか。
彼女に続いて、男が一人。いつもの黒い帽子は頭の上には乗っておらず黒い髪を緩く結んでいるその男は、件の護衛だ。
甲板の手摺に駆け寄った彼女は「うわぁ」と感嘆の声を上げている。
『すげー………流れ星みたいですね』
「別に珍しいものでもないだろう」
その時俺も漸く気付いたが、彼女が見ている方角、その空に無数の星が流れていた。
そう言えば、流星のような光球が常に降り注ぐ島の近くを通過するだのなんだの聞いた気がする。
『ロマンがないですね。そんなんじゃモテないですよ』
「安心しろ。お前よりはモテる」
『は！？』
「色気がねえと辛いなちんちくりん」
『わかりました……すぐに男でも彼氏でも作ってやりますよ！どや顔で自慢してやりますから首洗って待っててください！！』
え……これはもしや明日アタックすればいけるのでは？
そうと決まれば早速行動に移すしかない。
「………おい」
『なんですか！？』
「ヤケクソで男を選ぶと碌なことがねェからやめとけ」
『な、なんで急にまともな事を言うんですか……罠ですか』
「いいから、やめておけ」
無言で腕を広げた護衛。
大将は首を傾げながらも男の腕の中へと身体を預けた。
彼女を抱きしめた護衛の男。
奴の鋭い視線は俺に向いていた。男の口がゆっくりと動く。
――やめておけ。
……さよなら、俺の恋。
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涙腺崩壊日本人 - 2章まってます！！！！！ (2022年9月9日 21時) (
レス) @page50 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさんの為なら、いや、更新のためなら天に召されても良い、、、、 (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさん好き過ぎる作戦隊長さん、ありがとう感謝します私は貴方のおかげでルッチさんに目覚めることが出来ました！ワンピが帰ってくるのを待つぜ！更新お願いします！！超超超超超超超超超大好きです！ (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
ルッチさぁぁぁん - ホントわかる、、ルッチさん好き (2022年5月11日 23時) (レス) @page44 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
狐竜(プロフ) - ぴゃ！！！？？（大混乱）やった久々の更新！！！ほんともうこのシリーズのルッチさん大好きなんですよ私……嬉しい…！！！ (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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