八百六十三話目 「国王からのありがたいお言葉」 ページ18
「さぁて運命の決勝戦！AブロックからＦブロックまでの上位五名、計三十名がステージ上に集ったァ！！」
実況の男が高らかに声を上げる。
ワァッ観客たちも沸き立ち、その声で地面が揺れているような錯覚すら覚える。
ぐるりと周囲を見渡す。ステージ上の人間はここの剣闘士というだけあって素人と言うわけではなかったが……まあ、負けるはずもない。
数人手練れもいるようだが問題はないだろう。目を瞑っていても勝てそうだ。
「いざ決勝！……その前にッ、我らが国王であるドンキホーテ・ドフラミンゴ様からお言葉があるそうだ！皆の物ッ、あぁれをぉ……見ろッ！」
視界の男が指で示した先に全員が注目する。
観客席の更に上、コロシアムの縁とでも呼べる場所に、ピンク色のコートを纏った奴が立っていた。俺をこの馬鹿げた興行に引きずりだした張本人だ。
一際大きく湧き上がる歓声を暫く浴びた男はゆっくりと手を挙げた。
鎮まったのを見計らうように手に乗せた電伝虫を口元に寄せた。
「フッフッフッ！！盛り上がってるようで何よりだ。さて、今回の月大会、俺のファミリーを特別ゲストにと思っていたが、丁度うちに加入してえ奴がいてな、入団テスト代わりにこの大会を使わせてもらうぜェ？……安心しろ、強さは折り紙付きだ。俺の勝手な都合だが……どうだ、許しちゃくれねえか？」
またもや上がる歓声、そして拍手。
満足げに笑う奴は「感謝するぜ」と電伝虫に声を吹き込んでいた。それでまた湧く観客席。
七武海であるドンキホーテファミリーを堂々と消せる機会だと思っていたが、まあいいだろう。どちらにせよ海賊に変わりはない。殺せば済む話だ。
そろそろ戻らなければバカが喚いているだろう。長官から任された任務もある。
「そういうことだ、みんな歓迎してくれてるぜ。行ってこい」
ドフラミンゴの後ろに隠れていたのだろう、黒いマントに身を包んだ人影が現れた。
そいつは悠々と観客席の通路をまっすぐに歩いてくる。
徐々に近づいてくるその姿に見覚えがある。いや、見覚えがあるなんてものじゃない。
観客席のギリギリまで到達した奴は黒いマントを脱ぎ捨てながら跳び上がる。
マントが水面に着いた瞬間に闘魚が餌とでも思ったのか食らいついた。
その時発生した水しぶきを背に、ステージに着地したのは予想通りの人間で。
変装のつもりだろうか。どうにかして染めたのであろう毛先だけ赤い黒髪を靡かせているのはまごうことなきバカだ。
八百六十四話目 「観客ウケ」→←八百六十二話目 「命の取捨選択」
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涙腺崩壊日本人 - 2章まってます！！！！！ (2022年9月9日 21時) (
レス) @page50 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさんの為なら、いや、更新のためなら天に召されても良い、、、、 (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
涙腺崩壊日本人 - ルッチさん好き過ぎる作戦隊長さん、ありがとう感謝します私は貴方のおかげでルッチさんに目覚めることが出来ました！ワンピが帰ってくるのを待つぜ！更新お願いします！！超超超超超超超超超大好きです！ (2022年8月18日 0時) (レス) id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
ルッチさぁぁぁん - ホントわかる、、ルッチさん好き (2022年5月11日 23時) (レス) @page44 id: 66bf482254 (このIDを非表示/違反報告)
狐竜(プロフ) - ぴゃ！！！？？（大混乱）やった久々の更新！！！ほんともうこのシリーズのルッチさん大好きなんですよ私……嬉しい…！！！ (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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