八百四十一話目 「愛と情熱の」 ページ45
『………すっげー』
「おい、常にも増して間抜け面晒してるぞ」
『………』
「聞こえちゃいねえな」
ドレスローザに上陸してまず感じたのは美味しそうな匂い。露店やらレストランなど、あらゆるところから発生させられたそれらにも驚いたがそんなことよりもである。
「はいどーぞ、綺麗な海兵さん」
『あ、あぁ』
「愛と情熱の国、ドレスローザへようこそ！ふふふふふ〜」
今、笑顔で俺に風船を渡して踊りながらどこかへ行ったのは帽子を被った少年だ。
………ブリキの。
『ど、どうなってんの』
「ここはそういう国だ」
『……』
「いい加減口を閉じろ」
脇腹を小突かれて漸く我に返る。
人と、おもちゃと、カラフルな街並み。ここはどこだ。童話の中か？
なおも物珍し気にキョロキョロしていれば今度はおもちゃの兵隊が三人、並んで歩いてきた。揃ってピッと俺に敬礼をする。
「海軍の方ですね！お困りですか？」
『あ、えっと』
「うわああああ！」
「男が刺されたぞ！担架を！！」
「ったく今日だけで何人目だ」
『え？』
通りの向こうで大騒ぎが聞こえてきてそちらをバッと見た。まあ建物で何が起こってるかは判然としないが、声からして傷害事件発生の模様。
「ああ、あの手の騒ぎは何時ものことです」
『は！？』
「この国の女性は恋に情熱的で……よくブスリブスリと刺します」
『そんな軽いノリで』
「ふふ、貴女もこの国の人間なら、数人は恋で刺し殺してるでしょうね」
いやいやいや。洒落にならん。
では、お気をつけて！と見送られながらドフラミンゴが指定した場所を目指す。
今更ではあるが大所帯で来ると悪目立ちするって言われたので、ルッチさんと俺の二人。
何なら俺だけでもいいけどね。ンな事思ってるって本人に知れたら指銃か嵐脚か。
碌な事にはならないから黙ってる。
『ついた……なんか丸いな』
「感想が幼児だな」
『心に刺さるんですけど』
俺が眉を顰めてルッチさんを見れば何かに気づいたルッチさんが俺の肩をぐっと引き寄せる。え、何？と思った時に俺が元居たところを女の人が駆け抜けていこうとする。しかし、石畳に毛躓いて盛大に転んだ。で、その手には血の付いたナイフ。
「……物騒極まりないな」
『やばいですね』
「う……うぅ」
『大丈夫ですか？』
しゃがんでお伺いを立てればむくりと起き上がった。
顔は可愛い系、身長はまあまあ、スタイルは素晴らしい。パステルピンクのワンピースには似つかわしくない血濡れのナイフが無けりゃ完璧なのに。
八百四十二話目 「閑話休題 祝福前夜」→←八百四十話目 「海賊の手は借りたくないらしい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
