八百六話目 「必須所持：危機感」 ページ9
隅の方に連れていかれ、壁とルッチさんに挟まれる。ちょ、あの、俺に死ねってか？
「どういうつもりだ」
『どうもこうも……客寄せしろって言われたので』
「………」
『一応、いろいろ借りがありますし……』
無言で睨むルッチさんから目線を逸らしながらの言い訳。
ロビン目当ての客が来ねえとぼやかれてはどうしようもないのだ。あの色気には勝てないが、物珍しさで客が増えるなら僥倖だってことで嫌な顔をしながらも承諾したのが二時間前。四時間程度でいいと言われたので、あと二時間ほどだ。
『というか、どうやって出てきたんですか』
「普通に出てきたが？」
『え、クロコダイルは』
「止められはしなかった。止められても出てはいるがな」
あー、絶対ワザとじゃん。あのナイスミドルそういうとこあるからな。
どうせ俺があわわわと死にかけているのを想像してほくそ笑んでいるに違いない。
後で文句言ってやろうと心に決めたのはいいが、根本的問題が解決していない。ルッチさん、おこですね。
「俺は護衛だと何度言わせればわかる」
『いや、一回でばっちり理解してますけど』
「ならこの状況はなんだ」
『い、いやぁ……成り行き……みたいなー…ええっと……すの、すんません』
握られている腕が痛い。ギリギリ言ってるから。すごい痛いですルッチさん。
若干彼の口角が上がっているのも怖い。え、一周まわって笑ってるってやばくね？
「はっ、いい格好だな」
『似合ってないのとキモいのは重々承知なので。現在進行形で死にたいぐらいの自己嫌悪に陥ってるのでそれ以上言うと泣きますよ』
「………おい、じっとしてろ」
『は？……は！？んうっ！』
急に頬に手を当てられて顔を寄せられた。俺の唇がルッチさんのそれにあたると思って背筋が伸びたが、そんなこともなく。俺の唇はルッチさんが頬に当てた手の親指の腹に、ルッチさんの口は親指の背にあたっているので事なきを得た感じだ。でもこれ傍から見たらキスしてるように見えるんだろうな、なんて考えつつも暴れないのはルッチさんが冗談だけじゃなく、結構警戒してますオーラをバシバシ出しているからだ。
『ぷはっ……なんですか急に』
「さっきの変態男がな……今のでどこかへ行ったから大丈夫だろう」
『……？』
「危機感を持てと言っているんだバカヤロウ」
『な、何に対しての？………暴力とかです？』
真面目に聞いたのに、結構ガチの拳骨をもらった。痛い。
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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