八百十一話目 「想定外でーす」 ページ15
そんなこんなしていると電伝虫の音が響いた。
不審な顔をしながらクロコダイルが懐から取り出し、通話をつなぐ。
「……誰だ」
【私よ】
「サンデー……どうした」
【シケが近づいているらしくて、仕事も終わったから早めに戻ってきたわ。カジノが騒がしいけど、何かあったのかしら】
「…………おい、今どこにいやがる」
【どこって……カジノで雑務を】
「………カジノから動くなよ、いいな」
秒で着替えて部屋を飛び出した。不機嫌顔のルッチさんが睨んできているがそんなことを気にしている暇はない。
ロビンちゃんを政府の人間と鉢合わせさせたら一発で終わる。終わるどころの騒ぎではない。クロコダイルがカジノから動くなと言っていたが、万が一にも目ざといルッチさんが見かけてでもしてみろ。考えたくもない。
『じゃ、じゃあ俺たち帰るんで！ドタバタ帰って申し訳ねえ！さよなら！！』
「文句はクソ鳥とシケに言え」
『そうするわ！！』
荷物をひっつかんでルッチさんの腕も引っ掴む。小声で「おい」と非難されたが問答無用で連れ出したほうがいいだろう。吸血鬼姿のクロコダイルも見納めかと思うと悲しいが、美人の……というかロビンちゃんの危機だから言ってる場合ではない。
だがそんな俺の内心を呼んだようににやりと笑う色男。
「燕尾服が気に入ったならいつでも着てやる」
『ヴァッ！？』
「クハハハハ！今度はゆっくり時間を作ってから、な」
『ッ〜〜〜！美味しいモン用意しとけばーーーか！！！！』
精神年齢ごちゃいみたいになったが許せ。
誰に許しを乞うたのか知らないけど、どこかの誰か、許してください。
入ってきた裏口から出てバンチに乗り込む。すぐさま走り出して港に向かって動き出した景色にほっと安堵の息を吐いた。
部屋に入ると黒を身にまとった彼が葉巻をふかしていた。さっき通話の様子から推測したことを聞いてみる。
「お客様だったのかしら」
「ああ。そうだな」
「………サー、すごく似合ってるわね」
「あぁ？」
彼が私の用意したものを身にまとっている、悪くないどころかよさげな機嫌………誰が訪ねてきたのか、凡そ理解した。
あらあら、急いで帰ってこないほうがよかったみたいね。
「ふふ、お邪魔しちゃったみたいね」
「……チッ、無駄な勘ばかりいいなお前は」
「そうかしら」
あなた、意外とわかりやすいのよ？
窓の外を眺めている背中に、再び笑いがこぼれた。
八百十二話目 「ポエマー的なことになった」→←八百十話目 「調子に乗って丁度いい」
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夜月レナ(プロフ) - はじめまして(*^-^*)すごく楽しんでに読ませてもらってます（語彙力orz） 更新頑張って下さい(’-’*)♪ (2019年9月6日 21時) (
レス) id: 1844904407 (このIDを非表示/違反報告)
sile - いや最高すぎません？？めちゃくそルッチさん好みにどストライクなんですが。ルッチさんオチだといいなと思ってます(してほしい)ゆっくりで構わないので更新頑張ってください！お体には十分気を使った上でですよ…？w (2019年8月18日 0時) (レス) id: 801c11ec84 (このIDを非表示/違反報告)
リリ - 最高です。これからも応援してます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
レン - ウォォォォォォォォオ！！！！！！！メッチャ面白かった！！！さっっっっっっっいこっう (2019年7月18日 6時) (レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
シスター - 初めまして。シスターと申します。最初の作品から見させて頂きましたが、良い展開になって来ましたね！次が更新されるのが楽しみ過ぎて眠れないですwオチはルッチさんですかね？私の推しなので嬉しいです！ (2019年6月11日 11時) (レス) id: be6a289acb (このIDを非表示/違反報告)
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