七百八十三話目 「森の中で遭遇」 ページ33
『ぎゃッッ！！』
「黙れ」
ふがふがと口を押えられて俺の叫びは最初の二文字で終わった。
森の中を歩いている最中、ルッチさんに引っ張られ木の上に身を隠した。
何事やねんとルッチさんの見ている方を見ちゃったのが運の尽き、泣くかと思った。
『ぞ……ゾンビ？あれゾンビ？』
「そのようだな……三体か」
『無理無理泣く死んじゃうヤダ帰る帰りたい』
「はぁ……俺が呼ぶまでお前はここにいろ。叫ぶなよ」
全力で首を縦にブンブンと降ると、音もなく木から飛び降りたルッチさん。そのまま目にもとまらぬ速さでゾンビをぶっ飛ばした。ってぶっ飛ばしたァ！！？
俺が目をぱちぱちと瞬かせている間にもう一人もどっか遠くまで蹴っ飛ばし、残る一人を踵落としで地面に埋めた。うわあ、死体を二度目のスタイリッシュ土葬だあ。すごーい。
「来い」
『は、はい……』
「うおー！！出せコノヤロウ！！」
『……ご、ご愁傷様です』
「俺はまだ死んでねえ！！」
『ああ、すんません』
「バカヤロウ。ゾンビの時点で一回死んでるだろう」
「『あ、そうか』」
バカ丸出しのゾンビと俺の会話にルッチさんが呆れのツッコミを入れた。
ザクザクと落ち葉や木の枝が散乱する道を歩く。
先ほど埋めたゾンビの喚く声が遠くなってきて、もう一度確認。
『あれ、埋めたままでいいんですか？』
「問題ねえだろ」
『ちょっと可哀想』
「助けた後に襲われても俺は助けんぞ」
『レッツ土葬！！』
先ほどのゾンビを脅してモリアの居場所を聞き出したルッチさん。流石本職ですねと言った凄みで情報を得て、こうやって向かっているというわけだ。墓地を抜けた先のお城にいるとのことだったが………
『墓地……無理』
「文章で喋れないのか？」
『怖い』
「はぁ……」
墓地の入口に到着した俺はルッチさんのジャケットの裾を力いっぱいに掴んで抵抗していた。だってゾンビで墓地ときたらもう起こることは確定だ。いうてさっきルッチさんが尋問していたときもゾンビが怖かったので大分遠いところから様子見をしていた。
『だって映画のバイオハ○ードでも墓地からめっちゃ出てきましたもん』
「………」
『いやああああ！！引きずられるうううううう』
背後で必死で引っ張っている俺に冷ややかな視線を一瞬送ると、前を向いてズンズンと歩き出したルッチさん。確かに目前まで城が迫っててここで止まるのは頭おかしいかもしれないけど！まだ出てもいないゾンビにビビるのはおバカかもしれないけど！
七百八十四話目 「五人そろって！！」→←七百八十二話目 「理解不能で意味不明！！」
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レン - 最後から6行目わざとなのか？ (2019年7月17日 18時) (
レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
佐原雛美 - いつも、楽しみにしてます！！突然で申し訳ないのですが、Twitterってやられてますか？ (2019年1月4日 1時) (レス) id: 0d00d7f289 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - とっても面白いです!!これからも更新頑張って下さい！待ってます。 (2019年1月1日 9時) (レス) id: 1b98bfe505 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 作戦隊長さんの優しさに甘えまたコメントを送らせていただきます！ 色気たっぷりのクロコダイルさんがめちゃくちゃ楽しそうにいじってくるのも、すっかり忘れられて不機嫌になってるルッチさんもすごく好きすぎてにやけます。これからもずっと応援してます！！ (2018年12月8日 15時) (レス) id: d52fef5ccc (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年12月5日 15時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
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