七百七十三話目 「やっぱりパパン」 ページ22
ルッチさんを蹴り飛ばして、俺の正面に立ったあの時のマルコ。
そういえば、表情は一切見えていない。正面からしっかり顔を見たのは、マルコとあの島を出て気絶して………その後だ。
「奴は相当こらえたと思うぞ。俺ならば問答無用で斬っている」
『………』
「たとえその場を凌いでいても、地の果てまで追いかけて確実に斬る」
『それは物騒すぎやしませんか』
「俺が目の前で見せられたらの話だ」
『…………』
「言葉での嫌味くらい流してやれ」
『おう』
「それに、あやつも今頃後悔しているだろう。早めに連絡を入れろ」
『ありがとうパパン』
「お前の父親に就任した覚えはないぞ」
困ったように笑ったミホークは立ち上がり、俺の頭を優しく撫でた。
迷わず抱き着いた。抱きとめてくれるところも、背中を叩いてくれるところもパパンだし、俺の突飛な行動にも文句言わず甘やかしてくれるところも大好きだ。
あのバカが鷹の目と席を立ってから既に二十分ほどだろうか。
一向に出てこない護衛対象にいい加減イラつきを覚え、そろそろ様子を見に行こうかと思い出したとき、ドアが開き、閉まる音が響いた。
漸く終わったと思いきや、階段の上から姿を現したのは七武海の男のみで、バカの姿はない。
「………大将はどこへ」
「Aならば電伝虫で連絡を取っている。数分で来るだろう」
「どこの部屋でしょうか」
「行く必要があるのか？」
「護衛ですので」
「………よく言う」
明らかな敵意を向けられ、少し身構える。
鷹の目が先ほどの攻撃で使っていた武器を持っていないにしろ、戦闘となれば厄介だろう。
「早めに教えていただけませんか？」
「なぜ教える必要がある。第一に、あれはそう弱くない」
「………関係ありません」
「ならば、次こそ殺すためか？」
「ッ！？」
「……俺が手を出すのは容易い。だが、それはAの本意ではないだろう」
「言っている意味が分かりませんが」
「精々、他の奴に殺されないようにな」
意味深に笑った鷹の目。
俺が眉をしかめる前に、俺と鷹の目のちょうど中間ほどに飛び降りてきたバカ。
奴は珍しくも鋭い視線で鷹の目を見た。
『ミホーク、余計な事言って脅さない』
「……少々大人げなかったな」
『珍しいことすんじゃねえよ』
「ふ、お前が関わるとな」
『そういうこっ恥ずかしい事言うのもやめて！』
顔を紅くしてギャースと叫ぶバカに、今度こそ眉をしかめた。
七百七十四話目 「オレオレ詐欺対策」→←七百七十二話目 「マルコのことについて」
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レン - 最後から6行目わざとなのか？ (2019年7月17日 18時) (
レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
佐原雛美 - いつも、楽しみにしてます！！突然で申し訳ないのですが、Twitterってやられてますか？ (2019年1月4日 1時) (レス) id: 0d00d7f289 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - とっても面白いです!!これからも更新頑張って下さい！待ってます。 (2019年1月1日 9時) (レス) id: 1b98bfe505 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 作戦隊長さんの優しさに甘えまたコメントを送らせていただきます！ 色気たっぷりのクロコダイルさんがめちゃくちゃ楽しそうにいじってくるのも、すっかり忘れられて不機嫌になってるルッチさんもすごく好きすぎてにやけます。これからもずっと応援してます！！ (2018年12月8日 15時) (レス) id: d52fef5ccc (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年12月5日 15時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
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