七百六十五話目 「標準装備されてるんで」 ページ14
華麗なるチベットスナギツネを披露し、その表情を維持していこうと思ったが部屋の扉がノックされたため元に戻した。
流石に何も状況を知らない人間の前であんな顔するわけにはいかないのだ。相対した人がプチパニックに陥ってしまう可能性があるから。
『なんだ？』
「た、大将！先ほどの海賊船の一件。本部に報告いたしますか？」
『あー、そうだな。一応頼む』
「その……どう言えば」
『……皆殺しにしましたって言っといて』
それ以外に報告できないね。
適当でごめんよ、許してくれと本部にいるであろうセンゴクに心中で謝罪をしておいた。
了解です、と少し焦りながら出て行った海兵。
全体的に、緊張していたような気がする……というかしていたが、どう考えてもルッチさんのせいだろう。どうもCP9であるということはこの船に乗っている人間は把握しているらしく……まあ、そうなるよね。
CP9、闇の諜報部隊。彼らは海軍内では恐れられている存在だ。オブラートやら何やらを使わずに言うならば、怖がられており嫌われている。
『だから別部屋にしときゃよかったんだ』
「なにか言ったか？」
『ルッチさんの顔が怖すぎて海兵がビビってるんです』
「そうか」
『だから今からでもいいんで部屋わけましょうよ。なんで一緒なんですか』
「俺がお前の護衛だからだ」
『ルッチさんに護られるほど弱くはないです』
「体裁の問題だ」
『じゃあなおさら別部屋でしょ』
「………」
はい、無言頂きましたー。これ以上無駄話をする気はないという事らしい。まあ、俺からするとルッチさんが変に離れたところに部屋があって、出歩くたびにビビられまくるよりはいいとは思うけど……俺のメンタルが持つか不安だ。だってまだ出航して朝にすらなっていないのにバカにされていじられて……こんなにズタボロです。
あ、でも海兵うざいとかいう理由で指銃かましたりする可能性は減るな。
罪のない海兵の命が一個減るよりも、俺のメンタルがすり減った方がまだまし。
ため息をついて時計を見れば深夜一時。時間を把握すると眠くなり、くぁあ…と欠伸が出た。
「寝るか？」
『はい、電気消してもいいですか？』
「構わん。俺は外で見張る」
『は？寝ないんですか』
「俺は護衛だ」
『いや寝ましょうよ。殺気飛べば無条件で起きる機能なんてお互い標準装備でしょ。というか俺が寝にくいんで』
「俺をロボットみたいに言うなバカヤロウ」
少し笑ったルッチさんに俺も笑った。
七百六十六話目 「世の中所詮」→←七百六十四話目 「チベットスナギツネ見参」
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レン - 最後から6行目わざとなのか？ (2019年7月17日 18時) (
レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
佐原雛美 - いつも、楽しみにしてます！！突然で申し訳ないのですが、Twitterってやられてますか？ (2019年1月4日 1時) (レス) id: 0d00d7f289 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - とっても面白いです!!これからも更新頑張って下さい！待ってます。 (2019年1月1日 9時) (レス) id: 1b98bfe505 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 作戦隊長さんの優しさに甘えまたコメントを送らせていただきます！ 色気たっぷりのクロコダイルさんがめちゃくちゃ楽しそうにいじってくるのも、すっかり忘れられて不機嫌になってるルッチさんもすごく好きすぎてにやけます。これからもずっと応援してます！！ (2018年12月8日 15時) (レス) id: d52fef5ccc (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年12月5日 15時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
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