七百六十二話目 「許可……は出すけどもだよ」 ページ11
『ま、ざっとそんな感じです』
「……お前も大変だな」
『ははは、名指しで来いっていうやつもいますしね』
静かに憐れみの目を向けたルッチさんには乾いた笑いしか返せなかった。
どう考えても嫌がらせでルッチさん同行させたじゃろ絶対っていうピンクがまたまた脳内をよぎった。国へお帰り。
「他は何かあるか？」
『あ、移動中は基本暇なんですけど』
「大将！！！」
部屋の外から部下の声。
それと同時に船がグラッと軽く揺れた。
「海賊です！！」
『………こういう感じに喧嘩吹っ掛けられたり、海賊を発見したら戦闘開始です』
「殺していいのか？」
『さぁ、様子を見ないと。まぁでも多分……』
そこまで言えば、ルッチさんはニィと口端を持ち上げた。
この人、こういう時の表情に関してはどこまでもセクシーだと思うんだ。
甲板に出れば慌ただしく走り回っていた海兵たちが敬礼をしてくる。
片手をあげることでそれを早々に終わらせ、走り寄ってきた海兵に事情を聴く。
『懸賞首だった？』
「いえ！たまたま海流にはまって抜け出せなくなっていたもようで」
『あー、新参者だな。なーんでまた海軍頻繁利用の海流に乗っかっちゃったんだろうね』
「……いかがいたします？」
『道中の海賊の処理は一任されてるしなぁ……連行するのもだるいし沈めるか』
「では準備を」
『あー、いいよ。俺が行くし』
「ですが……」
バキバキッと指を鳴らして笑いながら告げるも返事を濁す海兵。まあ、そりゃそうだろうと思う。俺の手はなるべく煩わせないようにとか別の上司に言われたりしてるんだろうし。過保護なのが何人か心当たりありますしね。
「……俺が行きましょう」
『ルッチさん？』
「俺に許可をくださいますか？A大将」
『え、あ？うん……え？』
「では」
呆気に取られているうちに月歩で海賊船に向かって行ったルッチさん。あっという間に姿が見えなくなる。はぁー、さすがですね。
いや、そうじゃなくて。あれ？気のせい？気のせいですか？
んんん？
「大将……大将！」
『ッはい！……なに？』
「私たちはいかがすれば……」
『あー……』
何か攻撃準備は必要かと聞いてくる海兵に、その必要は全くないと伝える。
だって、もう……ねえ。100%、一人でレッツパーリーして楽しんで終わらせてくる気満々だろうから。
風に乗って、血の匂いが漂ってきたような気さえもした。
………ルッチさんの着替え、部屋に準備しとこ。
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レン - 最後から6行目わざとなのか？ (2019年7月17日 18時) (
レス) id: dc4a31061c (このIDを非表示/違反報告)
佐原雛美 - いつも、楽しみにしてます！！突然で申し訳ないのですが、Twitterってやられてますか？ (2019年1月4日 1時) (レス) id: 0d00d7f289 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - とっても面白いです!!これからも更新頑張って下さい！待ってます。 (2019年1月1日 9時) (レス) id: 1b98bfe505 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 作戦隊長さんの優しさに甘えまたコメントを送らせていただきます！ 色気たっぷりのクロコダイルさんがめちゃくちゃ楽しそうにいじってくるのも、すっかり忘れられて不機嫌になってるルッチさんもすごく好きすぎてにやけます。これからもずっと応援してます！！ (2018年12月8日 15時) (レス) id: d52fef5ccc (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年12月5日 15時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
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