六百六十四話目 「割れ物注意」 ページ9
『よし、五本にしとこう』
「決まったかのう」
選りすぐりのリボンを手に頷いたところで、背後から声といっしょに俺の腹に腕が回った。
前につんのめりかけたのをカクが笑って押さえてくれたことにありがたや〜ってなったけど、よく考えれば抱きつかなければいいわけで。
しかしそれを言ったところで聞くはずもないので無視だ。それよりもカクの手にある紙袋の方が気になる。
『なんか買ったのか？』
「キリングッズがあったのでな、思わず」
『なるほどね』
ご機嫌そうなカクと一緒に、会計を済ませて店を出た。
お金を払う際に店員さんから「彼女さんですか？」と聞かれたカクがどや顔で「嫁になる予定じゃ！」と返しやがったときはライダーキックをお見舞いしたかった。店内には割れ物もあったので控えたけど。
『次は？』
「そうじゃのう……ランチでも取るかのう」
『確かに、出発が若干遅かったからな』
腕時計を見ればすでに十一時五十分。
部屋の前で時間ロスしたりなど割愛するが他にも色々あったので出たのが遅かった。
パスタ食べたいと言えば、笑顔で頷き手を差し出すカク。
若干照れながらも握れば、今度は恋人つなぎにしてきやがった。
マジで心臓止まるところでしたね、危ない危ない。
昼食も終えて、ざっと洋服屋さんを見て回ったが収穫はなし。
三時近いのでアイスクリームを買って食べながら歩いている。
『カクは抹茶にしたのか』
「Aは悩んどったようじゃが……チョコにしたんじゃな」
『抹茶も捨て難かったんだよ』
「なら一口いるか？」
『いいのか！？』
ホレと差し出されたのでスプーンですくって食べた。
あー……めっちゃ美味い。幸せ。甘い中の苦みがなんとも言えないのですよ。
お返しいるか？と自分のカップを差し出せば、カクは笑顔で口を開けてきた。
言いたいことはわかるけど、わからないふりをするのが賢明だと察した俺は無視を決め込む。しばらく無言の攻防戦が続いたが、結局は俺が折れた。シカタナイネ。
『わーったよ！やりゃいいんだろやりゃあ！！』
「すまんのう」
思ってもなさそうな謝罪をどうもありがとう。心の中で毒づいてからスプーンにチョコアイスを乗っける。そのままカクの口の中に持って行った。ご満悦で食べたカク、ため息をこぼす俺。
「美味しいわい！」
『そりゃよかった』
調子に乗ってもう一回とか言い出す前に、さっさとアイスを食べてしまった。
ホントに美味しかったのであのお店は贔屓にさせてもらおう。
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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