七百一話目 「 」 ページ46
時を遡り、エニエスロビーは司法の塔。
その長官室で、スパンダムは途方に暮れていた。
「ルッチの奴……今度は何をやらかしやがったんだ？通話で一言「すみません」って……アイツが柄にもねえことをするってことは碌でもねえことに決まって……今から青雉への言い訳考えとくか」
Aと共に任務に向かったルッチから通信があったのは昼頃。
もうすぐ帰ってくる頃合いだろう。ああ、嫌な予感が外れますようにと祈るスパンダムの前に、先に現れたのはカクだった。
「報告書を……どうしたんじゃ？顔色が随分悪いようじゃが」
「あぁ……カクか」
「本当に大丈夫じゃなさそうじゃな」
「ルッチがよぉ……なにかやらかしたみてぇだ」
「……わし知ーらん！」
報告書を机に置いて颯爽と出て行ったカク。そりゃそうだ、俺だってそうしちまうよ、と怒鳴ることもできないスパンダム。再びため息が部屋に響き渡ったところで、部屋の扉が開き、ルッチが入ってくる。
「……戻りました」
「お、おう……さて、あの通信の意味を教えてもらいてえんだが」
「………すみません」
「だから何がすみませんだって聞いてんだよ！」
「Aが、任務で死にました」
「は？」
苛立ったスパンダムが声を荒げたところに放たれたルッチの言葉。それは淡々と、事実だけを伝えるものだ。内容が全然呑み込めずに疑問符が零れるスパンダムの口。
代わりに豪快な音を響かせたのは長官室の扉だった。足音荒くカクがルッチに詰め寄り、胸ぐらを乱暴に掴む。
「………どういう意味じゃ」
「そのままの意味だ。Aは死んだ」
「何故じゃ！おぬしも一緒におったのじゃろう！？」
「ああ、俺が殺した」
壁に向かって飛んで行ったルッチ。なんのことはない、カクが全力で殴ったのだ。肩で大きく息をしながらカクは言葉を続ける。
「……今の言葉が本当なら……わしはおぬしを一生許さんぞ、ルッチ」
「………」
殺気が宿るカクの目を見てもなお無表情のルッチ。だが、スパンダムだけは珍しく気付いていた。ルッチの指の爪が、皮膚を破るほどに手のひらに食い込んでいることを。
静かになった長官室にスパンダムの声が響く。
「ルッチ、詳しく報告を聞く。カクは部屋から出ろ。終わったらメンバーを招集する」
「………わかったわい」
扉を潜る直前に再びルッチを睨んだカクだったが、大人しく出て行った。
二人きりになるとスパンダムが口を開く。
「Aが確実に死んだ所を見たか？」
「……いえ」
「そうか」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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