六百九十五話目 「浄化作業に移ります」 ページ39
「馬鹿じゃなかったら死亡確定のウイルスを注射しねえ」
『……返す言葉もない』
「そんな馬鹿に耳よりの情報だ。この馬鹿なケースの場合、ワクチン注射後二日は昏睡する」
『うそん』
「それだけお前の身体の中はウイルスまみれってことだ、さっさと浄化しろ」
有無を言わさず腕に注射器ぶっ刺されました。
まあいいですよ助かるなら。二日後ならクザンに連絡入れるのも間に合うし。
ぼんやりとローの指に彫ってあるタトゥーを眺めていると針が抜かれた。
「詳しい病気の内容は……めんどくせえからアイツにから聞け」
『おー、マルコだな。分かった』
「五分後には眠くなる。なにか聞いておきたいことは？」
『んー……起きてからでいい』
じゃあ二日後だな、と空になった注射器を弄びながら笑うローにつられて笑った。
なんだかなあ、やっぱり悪運は強いらしいな、俺。ローが出て行って暫くすると、言われたとおりに眠気が襲ってきた。あー、寝よ。
甲板に出ればクルーがこぞって寄ってくる。
わいのわいのやいのやいの煩い。同時に違うことを聞かれたとしても俺が一人である以上、答えれるのは一つずつだ。
「落ち着けお前ら、一個ずつにしろ。一番聞きたいことだけ聞け」
「「「「「あの可愛い子ちゃんは一体誰ですか！！？」」」」」
「全員それか……」
呆れてしまうほどに想定内。唯一静かなペンギンもため息を漏らしている。
確かにうるさい時点でもいくつかの声で聞こえていた質問だったが、全員で一つだけと言ってここまで揃うものなのか。いや、これは女っ気のない海賊団では必然だなと諦めた。
「患者だ。俺の部屋に寝かせてある」
「え、船長もう手を出したんすか！？」
「出してねえ」
「またまた〜、どうせ狙ってるんでしょ？」
「……そういえば」
聞き忘れていたと思い出したが後の祭り、もう眠ってしまった頃合いだろう。
しくじったなと空を仰げば、どう受け取ったのか騒ぐのは周りで。因みに、一番やかましいのはシャチだ。
「あーっ、やっぱり狙ってますね！？この前の島でも一番可愛い子落としてたくせに！」
「狙ってねェし、前の島の女は好みじゃねえ。勝手に向こうがついてきただけだ」
「くっそ〜、これだからイケメンは！！」
「オレはメスクマがいいなぁ」
「おめーは動物園にでも行ってこい！！」
「すみません」
シャチに怒鳴られ、いつものように落ち込むベポを尻目に、再び空を見上げた。
天気は良好、当然なら穏やかな午後。当然なら、な。
ーーー( *・ω・)ノーーー→←六百九十四話目 「理系恐ろしあ」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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