六百八十七話目 「お前は俺が」 ページ31
あのバカが裏切った。
戦闘が行われていたところに戻れば生きている人間は誰もおらず、死体ばかりが転がっていた。
まさかやられたかと死体を探すも、あの緋色は見当たらない。任務が完了したのならばここに残るだろう。だが、先ほども言ったように誰もいない。
探すかと森の中に入っていくと、何やら遠くで気配を感じた。剃を使って移動すれば敵の集団。その中に見覚えある緋色が混じっていた。
「………やはり、か」
元よりおかしな奴だった。
給仕と思えばその実は大将。だが書類や身元は不明のまま。七武海の曲者であるドフラミンゴとは面識があった。ジャブラの話ではクロコダイルともつながっていたらしい。
やはり碌でもない奴だったのだろう。なぜ俺は警戒をしなくなった。なぜ俺は傍に置いていた。なぜ俺は………もっと早くに息の根を止めなかった。
いや、元より殺す気だった。何時でもどこでも。ずっとお互いに言い合っていたじゃねえか。
「お前は俺が殺す」
俺の殺気に気づいたであろうバカの前に姿を現した。
片方の注射器をポケットに入れた奴はもう片方を左腕に刺す。
そして中のワクチンを流し終えると空になったそれを海へ投げ捨てた。
『ルッチさんすみません。俺だって自分の命は大事なんですよ』
「安心しろ、俺が殺す」
『じゃあ俺が死ぬ前にルッチさんにコレあげなきゃですね』
もう一本の注射器を持って言う奴の表情は無だった。
野良犬が言っていたのはこういうことだろうかと今更どうでもいいことを考える。
なんにせよ、今日でこいつとはおさらばだ。俺が死んでも、こいつが死んでも。
「加減はしない。敵である貴様には不要だ」
『………そうですか』
静かに答えた奴に向かって嵐脚を飛ばす。当然月歩でよけられたのでこちらも同じようにして追う。こんなことになるならば教えなければよかったなどと思うが、殺してしまえば同じだ。俺たちが後の裏切り者に六式を教えた事実もなくなる。
「指銃！」
『剃！』
「………なぜ攻撃しない」
『だって俺はコレをルッチさんに刺せば勝ちですから』
注射器を掲げながら言う。先にアレを破壊した方が早そうだ。
俺がそのように思ったことに勘付いたのか、眉を顰めた奴は、隠すように身体の後ろに持って行く。
「まあいい、結局は殺すんだ」
『………』
俺の言葉には何も返さずに向かってきた奴を蹴り飛ばす。
避けると思っていたが、俺の脚を掴みにかかってきやがった。咄嗟に右腕を振るって拳を入れる。
六百八十八話目 「さようなら、ごめんなさい」→←六百八十六話目 「つきり」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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