六百八十五話目 「なかなかにヤバイやつや……」 ページ29
ルッチが去ったあと、マルコは死体を見ながら首をかしげていた。
それはルッチが始末した男たちの死体なのだが。
「なんか変だよい」
二つの死体は即死だったらしい。が、一つの死体がおかしい。
まあ、偶然そう見えている可能性は高いが、こちらには致命傷は見られない。なのに口から血を吐いて死んでいる。
「……嫌な予感がするねい」
変身したマルコは空高く飛び上がった。
暫く飛べば、開けた場所に出る。あまりの光景に目を見開いたマルコ。
「地獄かよい……」
その中で立っているのは数十人の男たちと赤い髪。
やっぱり居やがったねいと気づかれないように近くの岩陰に隠れつつ変身を解いた。
「このウイルスは感染しただけじゃあなんともねえ。だが一度怪我を負うと……」
『血を吐いて死ぬってわけか』
「俺らも詳しいことは知らねえがな。たまたま島で見つけたもんだ。ワクチンはその島の医者が持ってやがった」
落ち着いた声の中に焦りが見られるA。聞き耳を立てているマルコにも何となく事情が飲み込めてきた。以降の話も聞いている限り、空気中のウイルスは十分で死滅するということ。マルコが来たのは三分ほど前だ。
「だが……厄介だねい」
どうせ碌でもないことを考えているであろうAに小さくため息をこぼした。
『わかった。俺も命は惜しいしな』
「交渉成立だな。そうと決まれば……オイ！」
下っ端の一人が寄ってきて箱を開けた。結構大きめの注射器が二つ入っている。
右の方を取り出してお偉いさんに渡したところ、何故か怒鳴られている。
「馬鹿か！ちゃんと見ろ、こっちはウイルスの方だろうが！！殺すところだぞ！！」
「えっ！？すいやせん！！」
「バツ印がついている方がワクチンだ！何度言ったら分かる！！」
さっきの言い方が気になったな。
殺すところだったぞ？まあ、聞いてみれば済む話か。こいつら少しバカっぽいし。
人のことは言えないって？悲しくなるからやめてくれませんか？
『殺すところってどういう意味だ？』
「ああ、このウイルスは直接体の中に入れると打った瞬間に痛みを覚え、だんだん酷くなり最後は四日後に死ぬ」
『んん！？負傷したらどうのはどうなったんだ！？』
「空気中から取り込んだ時と作用が違うんすよ。ちなみに空気感染した後にウイルスを体内に打ち込むと、前の効果はなくなるんす」
「ただし四日後に確実に死ぬがな」
どや顔で言う下っ端に偉いのが釘をさす。
中々にやばいウイルスだったぞこれ。
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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