六百七十四話目 「騒ぐ本能」 ページ19
グダグダ思っていれば、五人の男たちがやってきた。中央の男が書類にあったターゲットだな。写真で見たぞ。ということはアレだな。
『残念ながら、護衛が四人でございます』
「四人か……」
『足りねえってか？俺的には楽で嬉しいがな』
何やら受け渡しや話をし始める奴ら……の頭上からあくびを漏らしながら眺めるというのは暇なもので。昼間の暇さに比べれば全然なんだけどね。
小一時間ほど喋った奴らはお互いに背を向けて歩き出した。商談は終了だろうな。
目線で合図してきたジャブラに頷いて、空へと飛びあがった。
「見失うなよ」
『了解』
ターゲットたちが裏路地の何本目かの角を曲がったときに、下に降り立った。
突然上から人間が降ってきたら驚くらしく、ターゲットは目を見開いて後ずさり、ワンテンポ遅れて護衛の四人が銃を構えた。
『こんばんは、CP9です。突然のことで申し訳ないですが、暗殺命令が出ていますので』
「出やがったな……構うな、撃てッ！！」
「鉄塊！」
ジャブラの背後に隠れた瞬間に銃声が響き渡る。御一行様方の目がジャブラに向いている間に、俺は月歩で空に飛び上がった。
奴らの背後に着地して一番近くにいた護衛を指銃で一突き。そいつの叫びに残りの人間が動揺した瞬間にジャブラも動いた。右手でターゲット、左手で護衛を指銃で仕留めた彼。
俺はもう一度飛び上がって嵐脚を放ち、全員の始末が完了した。
飛び散った血飛沫で斑模様が描かれた地面にスタッと着地。そこにジャブラが寄ってきてニヤリと笑いながら手を差し伸べてくる。
「手早いこって」
『それほどでも』
嫌味ったらしく言ってきたので同じように言葉を返した。ジャブラの手につかまって立ち上がろうとすると、グイッと引っ張り上げられる。顔と顔の距離が近い。瞳孔が開いたジャブラの目が月の光でギラリと光った。あー、これはアレだなDIO様で言う最高にハイってやつだな。
「暴れ足りねえ……血が騒ぐんだよ」
『落ち着けジャブラ。マジで狼男になりかけてんぞ』
「なァ、相手しろよ。ルッチ相手はできんだろ？」
『殴り合いか？ジャブラ相手には無理だ、すまん』
「あァ！？ふざけんじゃねえぞテメェ！！お前にも俺の状況わかんだろ！？」
『わかるさ』
俺らを包む血の香りと頬に着いた返り血。熱く滾った血が体を回る感覚。
命の取り合いの後に生まれる衝動。これに喰われてしまえば最後だ。
でも……もっと暴れたいと俺の本能が叫ぶんだ。
『……よくわかる』
六百七十五話目 「不完全燃焼」→←六百七十三話目 「満月の夜と狼」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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