六百七十話目 「暇つぶしを模索中」 ページ15
うっすら目を開ける。視線を上にあげればジャブラの寝顔だった。
どうやら二人して寝ていたらしい。ぼやける眼で腕時計を確認したが到着にはまだ時間がある。
そして腕を動かしたときに気づいたのだが、黒い上着がかけられていた。どうもジャブラの上着だ。隣の彼はシャツ一枚だし。
『……随分優しい狼だこって』
フフッと笑ってから再び彼の肩に体重を預けた。
小さく揺れる列車をゆりかご、隣の同僚の寝息を子守歌代わりにして目を瞑った。
三秒後ほどに、静かに目を開けて恥ずかしそうにしていたジャブラに気づかないまま。
「おいA、着いたぞ。おい」
『ん……ああ、おはよ』
揺り起こされるほどに熟睡していました。かけられていた上着をお礼を言いながら返して、海列車から降りた。
賑わう街には出らずに、駅の裏口へ向かうらしい。ジャブラの後ろをズボンのポケットに手を突っ込んで歩く。
『動くのは夜だったか。商談に来るらしいターゲットをサクッと』
「護衛がいねえ限り一人か……呆気なく終わりそうだな」
『夜かー……それまで何するよ』
夜までの待機場所はないのでその辺の店に入るらしい。なかなかに黒い格好だが、ジャブラは上着を脱いで手に持っているし、俺も黒い上着は脱いで腰に巻いている。
表通りで歩き回らない限りターゲットに勘繰られることなねえだろってことで裏通りにあったこじんまりした店に入った。
今の時刻は十二時半。まあ、昼ごはん食べて……最悪寝てればすぐだ。
ドアを開けて中に入れば昼間から酒飲んでる人やら、軽食を食べているお客さんたち。
「二人だが」
「こちらへどうぞ」
ウェイターさんにカウンター席を勧められ、隣同士で座る。
とりあえず昼飯食うかってことでお冷を持ってきたお姉さんに適当に注文する。
注文を繰り返してしばらくお待ちくださいとお決まりの台詞を聞き終わったあと、ため息交じりにジャブラがつぶやく。
「どう暇をつぶすか……」
『寝てりゃあいいだろ。ジャブラ得意じゃん』
「まあ、そうだけどよ」
『おしゃべりでもいいけど？』
「お嬢さん、隣いいかね？」
『あ、お構いなく。でもなあ……喋りはネタが尽きそうなんだよなあ』
ジャブラの方を見ながら笑うと、困ったような表情の彼。だってそうだろ。夜中まで話題持つか？いや、頑張れば行けるのか？誰かがくゆらせているのだろう紫煙の香りが鼻腔をくすぐった。
六百七十一話目 「ピンク色のアホウ鳥がお喋りすぎて」→←六百六十九話目 「嘘ついたら尻尾を頂戴いたす」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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