六百六十八話目 「避けるの禁止！」 ページ13
部屋に戻ってカクにもらった紙袋を開けた。ピンク色の可愛い箱が姿を見せる。
箱に入れられていたのは、俺が雑貨屋さんで欲しいと思ったウサギのシルエットが入ったコーヒーカップ。どうやらあの短いリアクションをカクは目ざとく見ていたらしい。ちょっとうれしくなった。
『ありがと…………ごめんなさい』
今日一日のカクの表情がよみがえる。一緒に歩いて回って、ずっと手を繋いで……最後に浮かんだのが、あの公園での真剣な表情。ポロリと涙がこぼれた。
俺はカクを傷つけた。本気で言ってくれていた「かもしれない」言葉を冗談と流した。あれは冗談だと思っていてもちゃんと返事をするべきだったはずなのに。
『ごめんなさい……』
箱を抱いて涙を流す俺の足元に銀が寄ってきて小さく鳴いた。
ああ、相棒にも心配かけて………俺ってホントにクソ野郎じゃねえか。
心の整理がつくまで銀の頭を静かに撫で続けた。
今日の任務はジャブラとらしい。
書類を渡されるときに長官がにやにやしていたが、なにかあったのだろうか。
フクロウに聞いても分からないってことは、長官のみぞ知るってやつだろう。
セント・ポプラでの暗殺任務の為、海列車で移動……なのだが。
『なァ、ジャブラ』
「なんだ」
『遠くないか？』
降り口に一番近い席に座った俺。
それに対し何故かジャブラは俺の対角線上、要は車両の逆端に座りやがった。
前々から思っていたがこれは確定だろう。確定とかのレベルでもないな、現行犯だ。
『俺のこと避けてるのか？』
「いやっ……そういう訳じゃあないんだが、そのなんつーか」
『なんだって？』
尻すぼみになるジャブラの言葉にイライラした俺は席を立ち、ずかずかとジャブラの元へ。凄く困ったような顔をされたが知ったこっちゃない。遠慮なくジャブラの横に腰を下ろして覗き込むようにしてもう一度言いなさいと脅す。
「なっ、なんでもねーって！」
『ふーん。じゃあもう避けるなよ』
「だから避けてねえっての！」
『じゃあなんで顔合わせねーんだよ！こっち見やがれ！！』
そう言ったところで顔の角度すら変えようとしないジャブラ。
流石にいい気はしないので、無理やりこっちを向かせてやろうと頭を引っ掴んだ。動かそうとするも全然動きません。コイツの首の筋肉凄すぎワロタって言ってる場合じゃない。
『こっち向け〜〜！！！』
「いてててて！！痛いだろうが！！！」
観念したらしくこっちを見てくれたが、彼の顔は真っ赤。
眼も超絶泳いでる。
六百六十九話目 「嘘ついたら尻尾を頂戴いたす」→←六百六十七話目 「お礼の品」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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