六百九十八話目 「うそん」 ページ43
『なんで寝ないんだよ』
「必要最低限は寝てる」
『の癖にそのクマかァ？ねーだろ』
「……」
聞く耳持たないローにため息を零せば、部屋のドアが開いた。
顔を出したのはキャスケット帽をかぶった男。遅れてベポも顔を出した。
「あーっ、Aが起きてるー！よかったぁ〜〜」
俺を見るやいなや目に涙を浮かべつつ抱きついてきたベポ。もっふもふだなおい。
というか前が……全く見えない。視界全部が白。ホワイトアウトってこれか(違う)。
「どうしたシャチ」
「飯の時間だから呼びに来ました。いい加減食わねえとペンギンが怖いですよ」
「そーだよキャプテン、食べないと体に悪いよ」
「………」
なんだこの船長は、寝ないどころか飯もまともに食べてないのか。
どうりでスタイルがよろしいわけだ。だが食事は取るべきだろう……というか医者であるならば貴方が他人に注意する必要があるでしょうが。言われてどうすんだ。
「A……だっけ？お前の分も用意してあるから、食堂行こうぜ」
『あ、お気遣いどーも。えっと……』
「俺はシャチ。さ、行こうぜ」
「行こうよ！」
シャチに右手を、ベポに左手を取られて引っ張られるようにして部屋を連れ出された。
俺の背後で聞こえた呆れのため息は恐らくローの口から出たものだろう。
足音も続いてきているので、彼も着いてきているようだが。
「連れてきたぞ」
「Aも一緒だよ！」
『ど、どもーっす』
連れてこられた食堂の様な所では数人のクルーが食事を取っていた。奥の方に見えるキッチンではコックが料理を作っている。
それぞれが俺に挨拶を交わす中、PENGUINと書かれた帽子をかぶった人が近づいてきた。
「元気になったようで何よりだな。急に出航していて驚いただろ？」
『ものすごく』
「俺はペンギンだ。よろしくな、A」
『あ、世話になります』
差し出された右手を取り軽く握った。
シャチもペンギンもまともそうな人だ。俺の周りには変人やら超人やらが多くてこんな感じでまともな人間は希少価値だ。少し感動すらしてしまう。
ちょっと遅れてやってきたローを見たペンギンは俺に座るように促した。言うとおりにすれば、皆それぞれ腰を下ろした。俺の右隣りはベポ、左隣がローで正面にペンギン。シャチは席を外した。頃合いを見計らってローが喋りだす。
「俺たちはハートの海賊団、船長は俺だ。結論から話すが、次の島に着くのは五日後の予定だ」
『……うそん』
聞きたくなかったなあ、なんて。
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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