六百七十九話目 「サボりかサボりじゃないか」 ページ24
「おい」
『どうしました？』
仮眠をとった後、準備をして乗り込んだ船の中。因みにハットリちゃんと銀は司法の塔にお留守番だ。今回の仕事内容についての書類を読んでいればルッチさんに呼ばれたため顔を上げた。
煙草を咥えていることから察するに、火をつけろってことだろう。指を火に変えながら差し出す。
『ライターは？』
「忘れた。お前がいるからいいだろう」
『いや、ライター代わりってひどくないですか？』
「便利だな」
もうヤダこの人、嫌がることをドンピシャで言ってくる。そこに痺れないし憧れないから勘弁してくださいマジで。Aのライフはもうゼロなんです。
ちーんってな感じでテンションを下げていれば、そういえばとルッチさんがこちらを睨んできた。
『なにか不味いことしました？』
「お前、人を殺せるのか？」
『え、まあ。はい』
「そうか。てっきり偽善者特有の殺したくない主義かと思っていた」
『だから俺は偽善者じゃないですって』
フーっと煙を吐き出すルッチさんにイラつきながら返す。俺は結構リアリストだと自分では思っているんですが。偽善なんて……バカげてる。実際に被害にあったのは俺だから、そういうやつを見るとむしゃくしゃするってのもあるが。
『………』
「まあ偽善者かどうかはさておきだ。何故俺と任務の時はサボってやがる」
『いや、サボってはないですよ。俺が仕事しなくてもルッチさんがスマートに掃除してるからいいかなーって』
「それをサボりと言うんだバカヤロウ」
べしっと頭を叩かれた。全く持って不本意だけど、見方によっては確かにサボりかもしれない。だけど俺には俺の言い分があるのである。いや、言い訳じゃないから。言い分。
『だってルッチさん楽しそうだからいいかなって。寄って行ったらもれなく俺までやられそうですし』
「……今日はお前ひとりでやれ」
『はいィ！？書類まだ読んでる途中ですけど、反政府組織同士の抗争に乱入して殲滅ですよ！？人数ざっと見積もっても二百はいますって！！』
「問題ねえだろ。骨くらいは拾ってやる」
『うわー、その台詞すっげーデジャヴです』
「冗談だ。ヤバくなったら手伝う、これでいいな」
『最初から手伝ってほしいなーなんて………うわーい嘘ですちゃんとします全員ぶっ転がしますあはははは楽しみだなー』
無言で人差し指を構えられたらそう言うしかありません。元から返事はイエスorイエスだ。
時計を見れば、目的地到着予定時間まで一時間を切っていた。
六百八十話目 「あえての初挑戦」→←六百七十八話目 「割り切ることができている」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 734人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
