六百七十六話目 「暴走列車は止まれない」 ページ21
新しい葉巻を取り出したクロコダイル。人差し指を炎に変えれば、当然のように葉巻に火をつけた彼は満足気に笑む。
「全部をぶっ壊してェ、何もかもブン投げて暴れ回りてェ……お前も大概だな」
『ざけんな。んなこと』
「思ってねえと？クハハハ、嘘を言っちゃいけねえぜ」
どうやらクロコダイルに全てを見透かされているらしい。俺の建前も、危うさも、影に隠れる悪魔も。
その上でコイツは揺さぶってくるもんだからたまったもんじゃない。
何か思惑でもあるんじゃねえかと勘ぐってしまう……というか絶対なんか碌でもねえこと考えてやがるな。
「珍しく警戒か？」
『そりゃするわ。この前もどこぞのピンクバカにやられたもんで』
「安心しろ、あのバカは自分からミホークに自慢して斬られかけていた」
『………ミホークに菓子折り持ってお礼に行かなきゃ』
俺が鉄槌を下す前に黒刀が断罪を入れていたらしい。感謝の言葉もございません神様仏様ミホーク様。それはそうと、話を戻さねばなるまいよ。
『で、何が言いたいんだ』
「別になんでもねェさ。ただ窮屈そうなんでな、助言を加えただけだ」
『………正直怖いさ』
「ほう、何がだ？」
『万が一にでも自分のリミッターが外れた時………俺は止まれる気がしねえ』
「………」
ハンコックの件の時も、事実危なかった。あの時はまだまだ制御できていたが、もう少しでも敵が多かったら、もう少しでも俺がまともじゃなかったら……おそらく俺は戻って来ていない。文字通り、全部ぶっ壊すまで。
非人道的でいけないことだと頭では分かっているが、止まれない。もしかしたら笑っているんじゃないかとすら思う。いや、罪の意識から逃げているからかもしれない。何にせよ、衝動が理性を超えた時………俺は何をするか分からない。
全てを壊して回る……物も、人も見境なく。この状況で壊した人が俺の大切な人なら、それも無意識下で、完全にトンでいる時にやってしまったのなら……。
『…………』
「………まあ、てめェが気にする事じゃねえな」
『あぁ？』
「止まれねえ奴は他の奴が止めるしかねえだろ。常識的に考えてみろ、暴走列車が自分で止まるか？」
『………』
「止まれねえ列車は轢かれる前にぶっ壊すか無理やりにでも止めるしか方法はねェだろ？止められねえにしろ避けるくらいは可能だ、よしんば轢かれても死ななきゃいい」
六百七十七話目 「神回避で避けてください」→←六百七十五話目 「不完全燃焼」
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作戦隊長(プロフ) - うみうしさん» 一年越しに気づきました。そして見事に掲載し忘れてますね………どうしましょ(´・ω・｀) (2018年11月11日 14時) (
レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
うみうし(プロフ) - 六百八十四話「え？」 (2018年11月10日 17時) (レス) id: 314bb7876c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - まとめてコメント返し失礼致しますm(*_ _)mありがとうございます、バイトでひぃひぃ言ってるので厳しいところもありますが、できるだけ返信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: 11460b30b2 (このIDを非表示/違反報告)
なな - あ、もちろん作戦隊長さんの作品大好きです！更新頑張ってください！ (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 作戦隊長さん、前みたいに顔文字とかを入れたらもっと面白くなるんじゃないかと思ったのですが…どうでしょうか？？( ´・ω・` ) 時間がなかったりしたらすみません (2017年8月25日 12時) (レス) id: c3374e0373 (このIDを非表示/違反報告)
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