五百九十四話目 「一撃入れるまで」 ページ35
始まって三分ほどだろうか。お互いに攻撃が当たらない。
ルッチさんの指銃してきた右腕を避け、回し蹴り。しかし難なく避けられたので一旦離れる。
能力と武器なしの戦闘は向こうの世界以来だから体がなまってる。
体がというか勘がなまってるのかな？何というかのれない。
「嵐脚」
『ッ！』
「指銃！」
『このっ！』
「ッ！」
右手の指銃を躱したところでハイキックをしたが、同じようにハイキックで防がれた。
丁度足と足がクロスした状態だ。二人とも飛びのいて距離を取る。
『今のは一撃入れたことになりますかね？』
「なるわけないだろう」
『ですよねー』
「言い忘れていたが、負けた方は勝った方の要求を呑む」
『はい！？』
目の前にルッチさんが移動してきて拳を振るう。
それを左の掌でキャッチして、お返しにでもくらいのノリで右拳を突き出した。
さっき俺がしたように難なく止められ、その体勢のまま膠着状態に。
『そんなの聞いてないですよ！』
「あァ、今言ったからな」
『そうじゃなく……てッ！』
同時に手を離し、これまた同時に左手で拳を握る。
次のパンチも逆の手で阻まれる。予想していた俺は右足を振りかぶった。
『はぁっ！』
「鉄塊ッ！」
『げ！』
マジか！？と思ったが、遅すぎる。あとのフェスティバルってやつだ。
握られていた左腕を引っ張られ、とんでもない頭突きを食らった。
あー、負けちゃったよチキショウと思った刹那、脇腹に衝撃が走った。
『ガハッ！』
あれ〜……一撃入れたら終わりじゃあなかったっけな〜。
そんなことを考えながら数メートル吹っ飛び、海に落下した。ああ、せっかく風呂に入ったのに。
元から一撃のつもりなんてなかった。
まあ、ある程度で止めるつもりはあったが、能力者というのがどうも引っかかる。
だから正確には海に落とすまで、のつもりだった。他意はない。
そして今しがた大きな水しぶきを上げながら海に落ちた奴。なかなか上がってこない。
「まあ、能力者だったら死ぬな」
流石に殺すのは不味いだろうが、死ぬときは死ぬだろう。
確認のために水際まで寄って行ったが、影すら見えない。
カクあたりでも呼ぶかと踵を返そうとしたときに、バシャっという水音と右足を掴まれる感覚。
振り返れば、顔から上と左手だけを水面に浮かべた奴が睨んでいた。
『……一撃だけっていったじゃねえかああああああ！！！』
叫びと共に、ものすごい力で足を引っ張られる。
瞬間、俺はあることを心に決めた。
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コリー - おい作者ぁぁ………………………… なんでこんなに面白いんですか！！！むちゃくそに面白いじゃないですか！呼び捨てにしてすみません作者様！！ 宿題進みませんよ、まったく…書いてくださってありがとうございます！生きがいです！！(・▽・)♭ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 40d23dab50 (このIDを非表示/違反報告)
化け狸 - 十四章目……もう入るんスか早いっスねぇ( ・∇・) (2017年1月12日 19時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - もう容量MAXだと!?早いな〜 (2017年1月12日 19時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - クレアさん» さぁ〜どうでしょうｗお楽しみにです♪ (2017年1月11日 21時) (レス) id: 30b6b72099 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - シリアス入っちゃう？( ・ w ・ ) (2017年1月11日 6時) (レス) id: 582b981685 (このIDを非表示/違反報告)
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