五百九十三話目 「ミシッ」 ページ34
サイドテーブルの上で銀とハットリちゃんが遊んでいる。
俺はと言うと髪を乾かしてもらっているのはいいが、如何せんルッチさんなので、リラックスなんてできる訳もない。
「……能力者だったんだろう」
『え、あ、はい』
「海に叩き落とされてよく無事だったな」
『いやぁ……運が良かった』
「真面目に答えろ」
恐らくは能力の事を聞きに来たのだろう。
あの場から逃げた意味が薄くなったが、全員にやんややんやと聞かれるよりましだ。
本音を言えば全くもって話したくないんですけどね。
『そのうち……言います』
「気に食わん。今だ」
『嫌ですよ』
「ドライヤーが壊れんうちに言え」
『脅しが斬新』
暫く問答が続いたが、俺が言う気無しと判断したのか引き下がってくれた。
一回ドライヤーがミシッて鳴ったけど……聞かなかったことにした。
「……終わったら外に出ろ」
『喧嘩の申し込みですか？ってすみませんふざけました』
「その通りだ」
『そうですよねそんなわけないですよね……え？』
「髪を乾かした礼をしろ」
そんなジャイアンルール知らないよ。
サイドテーブルでプープー＆スヤスヤ寝ている二羽を見て、それからルッチさんの方を振り返った。
『マジですか』
「ああ、外に行くのが嫌ならここでもいい」
『外に出ましょう』
そう言った瞬間に俵抱きにされた俺は、すでに窓の外だった。
久しぶりだな〜このダイナミックな運搬のされ方。
あーあー、お風呂入ったばっかなのになんでこうなるのでしょうかね。
さっきは銀がいたから不意打ち上等！戦わずして勝利をもぎ取る！！作戦で行ったが、今回ばかりはそうはいかない。というかルッチさんがさせてくれそうにない。
「こっちも最大限譲歩してやる」
『と、いいますと？』
「相手に一撃入れればそれでしまいだ」
『うわー、嬉しい譲歩』
要は一撃入れるまで帰れま10という訳か。
どんなに逃げても食らうまで終わらない。つか食らいたくはない。だが、早くお風呂に入ってゴートゥベッドしたいなら攻撃しなきゃならない。そんなに殴られたいのかあの人はドMかよ。
「嵐脚！」
『のわあっ！』
「ああスマン、足が滑って危うく殺すところだった」
『最後の心の中のセリフが口に出ていたと申すならば俺は今ここで自害します』
「……さあ、やるぞ」
そういったルッチさんは正面から消えた。喧嘩スタートって訳ですね。
右手で拳を握り、やるときゃやんねえとなと自分に言い聞かせた。
五百九十四話目 「一撃入れるまで」→←五百九十二話目 「キャストオフは英雄王で十分」
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コリー - おい作者ぁぁ………………………… なんでこんなに面白いんですか！！！むちゃくそに面白いじゃないですか！呼び捨てにしてすみません作者様！！ 宿題進みませんよ、まったく…書いてくださってありがとうございます！生きがいです！！(・▽・)♭ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 40d23dab50 (このIDを非表示/違反報告)
化け狸 - 十四章目……もう入るんスか早いっスねぇ( ・∇・) (2017年1月12日 19時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - もう容量MAXだと!?早いな〜 (2017年1月12日 19時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - クレアさん» さぁ〜どうでしょうｗお楽しみにです♪ (2017年1月11日 21時) (レス) id: 30b6b72099 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - シリアス入っちゃう？( ・ w ・ ) (2017年1月11日 6時) (レス) id: 582b981685 (このIDを非表示/違反報告)
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