五百九十一話目 「さらば！」 ページ32
『まさか……』
「なに、殺しはしねえさ」
『銀！』
手を伸ばしながら全力で銀の方に走る。
俺の考えてること、分かってくれてるか？
その心配は杞憂に終わった。ルッチさんが人差し指を立てた瞬間、カリファの肩から飛び降りた銀が変身する。
それを右手で引っ掴み、そのまま……
「ッ！」
木刀の切っ先はルッチさんの首元スレスレ。
ブルーノがそこまで、と手合せ終了の合図を入れた。
直ぐに木刀を首元からどかし、銀をウサギに戻す。銀はしてやったりと言わんばかりに喜んでます。
「A、一ついいかしら？」
『なんだ？』
「銀ってもしかして……」
『あ、何にも言ってなかったっけ。銀と俺は能力者だ』
「「「「は？」」」」
「銀だけじゃのうて？」
『うん、俺も能力……あ』
暫く静寂が流れ、その後に驚愕の叫びが響いた。
あの後、質問攻めされそうだった俺は「さらば！」と一言残して逃げた。
そのまま自分の部屋(ルッチさんのお隣)に飛び込み、鍵とチェーンロックをきっちりかけて一安心。
『もう今日はしーらないッ！！』
明日から給仕の仕事ではなくCP9のメンバーとしてのお仕事が始まるのだ。気を引き締めなくてはならないだろう。よって構っている暇はないのだ。ということにしておく。
お風呂入るか、と銀を連れてバスルームへ向かった。前の部屋より広かった。
『あーっ、コラ逃げるな！！』
「プゥプゥ！」
『てめ！その鳴き方は楽しんでやがるな！！許さん！！！』
脱衣所でお風呂上がりの銀と格闘中。
ドライヤーをさせてくれない。めっちゃ逃げる。こちとら下着すら来ていないと言うのに。
というか下着着てたら毎回のように脱衣所から脱走されるからなんですけどね！！部屋の中で銀と追っかけっこは勝ったためしがない。捕まる前に乾いてしまう。バスタオルを体に巻いた状態で奮闘するも、銀すばしっこすぎです。
『またんかい！今日はドライヤーしなさいってば！』
「キュイ！」
『ほんがっ！』
顔面に飛んできた銀。後ろにのけ反った時にドアノブを下げてしまい、ドアが開いてしまった。その隙を見逃さない逃亡のプロフェッショナルはするりと出ていく。ええいこうなったら能力使ってでも捕まえてやる！！
『てめえ銀！年貢の納め時だ！！』
「クルッポー！」
『……あらハットリちゃんいらっしゃい』
脱衣所から銀を追って飛び出せば、なぜかハットリちゃんがいた。
あ、風呂に入る前に空気入れ変えようと思って窓あけっぱだったかも。
五百九十二話目 「キャストオフは英雄王で十分」→←五百九十話目 「したくないものはしょうがない」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コリー - おい作者ぁぁ………………………… なんでこんなに面白いんですか！！！むちゃくそに面白いじゃないですか！呼び捨てにしてすみません作者様！！ 宿題進みませんよ、まったく…書いてくださってありがとうございます！生きがいです！！(・▽・)♭ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 40d23dab50 (このIDを非表示/違反報告)
化け狸 - 十四章目……もう入るんスか早いっスねぇ( ・∇・) (2017年1月12日 19時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - もう容量MAXだと!?早いな〜 (2017年1月12日 19時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - クレアさん» さぁ〜どうでしょうｗお楽しみにです♪ (2017年1月11日 21時) (レス) id: 30b6b72099 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - シリアス入っちゃう？( ・ w ・ ) (2017年1月11日 6時) (レス) id: 582b981685 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
