五百八十一話目 「マシな顔」 ページ22
叫び終わった後もルッチさんから目を逸らさず見続ける。
ルッチさんも同じようにじっと俺を見つめていたが、「ハッ」と破顔された。
笑顔というよりニヤッと笑った感じではあるが。
「殴られてる時よりはマシな顔じゃねえか」
『どういう意味ですか』
「……強いくせに弱いふりをするお前を見ると腹が立つ」
『はい？』
「もう一度言うぞ、力を使わないお前が気に食わん」
『………はい』
「動けるようになったら部屋に戻れ」
ハットリを引き連れて部屋から出て行ったルッチさん。
残された俺は銀の頭を撫でてふふふと笑う。不思議そうに首を傾げた相棒に、小さな声で語る。
『なぁんだ……ルッチさんは気づいてたのか』
「キュイ？」
『ふふふ、なあんだ』
気づいているというか、感じたの方が正しいのかもしれない。
だからあんなに突っかかってきたんだろう。あんなに嫌っていたのだろう。
ルッチさんが理解したように、俺もルッチさんが苦手だった理由が分かった。
『だって……最初っから疑われてたんだからな』
痛む体に鞭打って立ち上がり、さっき出て行ったルッチさんを追いかけた。
「あァ！？帰ったァ！？」
「長官、セクハラです」
「大声だしたから！？」
唐突にAが海軍本部に帰ったと聞いたのは、Aが熱出して寝込んだと聞いた三日後だった。ルッチが言った言葉をそのまま繰り返せばカリファから辛辣な言葉を貰った。
くそ、俺は長官なんだぞ！！
「おいルッチ！Aに変な事してないじゃろうな！！？」
「していない。本部から呼び出しだそうだ」
「まっ……まずいぞ」
本部に突然連れ戻される心当たりはいっぱいある。
カクが寝ぼけて指銃を当てたことを筆頭に、数えればきりがない。
サァッと血の気が引いていく中、フクロウがとんでもないことを零した。
「そういえば、Aは女子の給仕からずっといじめられてたらしいちゃぱー」
「どうしてそういう大事なことに限って言わねえんだお前は！！」
がくがくとフクロウを揺さぶるジャブラ。
俺はと言えば開いた口がふさがらない。100％、原因それじゃあねえか！！
「じゃあ、もうAは戻ってこんのか？」
「そうなるだろうな」
ブルーノの答えに、ちょっと苛めてた奴ら殺ってくるわいと指を鳴らすカク。カリファも真っ黒なオーラをバックに浮かべているので不味いことになりそうだ。
「ハァ……帰ってきてくんねえかな」
給仕一人でこの騒ぎとは……まあ、俺も含めだが。
五百八十二話目 「着信アリ」→←五百八十話目 「気に食わない理由」
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コリー - おい作者ぁぁ………………………… なんでこんなに面白いんですか！！！むちゃくそに面白いじゃないですか！呼び捨てにしてすみません作者様！！ 宿題進みませんよ、まったく…書いてくださってありがとうございます！生きがいです！！(・▽・)♭ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 40d23dab50 (このIDを非表示/違反報告)
化け狸 - 十四章目……もう入るんスか早いっスねぇ( ・∇・) (2017年1月12日 19時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - もう容量MAXだと!?早いな〜 (2017年1月12日 19時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - クレアさん» さぁ〜どうでしょうｗお楽しみにです♪ (2017年1月11日 21時) (レス) id: 30b6b72099 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - シリアス入っちゃう？( ・ w ・ ) (2017年1月11日 6時) (レス) id: 582b981685 (このIDを非表示/違反報告)
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