五百七十五話目 「両肩に白いモフモフ」 ページ16
「ポッポー」
「キュウ……」
「ポー」
女たちが去っていくと、ハットリがウサギの背中に頭を擦り付けた。
痛そうに片目を閉じるウサギに心配そうにハットリが鳴く。その後、俺に視線を向けた。
「……ハァ」
ため息を一つ零してウサギを持ち上げる。大人しく俺の手の上にのっかるウサギに安心したのか、俺の右肩に戻ってくる相棒。
ウサギの白い背中に一か所だけ赤い点。出血しているらしい、ハットリが低く鳴く。
よっぽど恐ろしい目にあったのか、小さくカタカタ震えるウサギ。
「お前の飼い主は何やってるんだ……」
「キュウ」
「ポッポー」
「まあいい、乗れ」
ウサギを乗せている手を左肩に寄せれば、直ぐにぴょんと飛び移った。
ハットリもだが、このウサギも賢い。ピタリと俺の首筋にひっついて落ち着いたのを確認してから歩き始めた。すれ違う給仕の姿を見るたびに俺の首に右前脚を置いてくるのが分かる。怯え方が尋常じゃない。
「おいハットリ、何があった」
「クルッポー！」
右肩に問えば、怒り心頭の返事が返ってくる。
その時、進行方向から奴の声が微かに聞こえてきた。左肩のウサギが小さく鳴く。
階段から上って来て、俺を見た奴は目を見開いてから破顔する。
『ルッチさん、ふふっ、両肩っ、銀とハットリちゃん、くっくっくっ……』
「笑うならはっきり笑え。お望み通り風穴を開けてやる」
『すみません！！笑いません！！！』
消えた二羽を探して歩き回っていれば両肩に白いもふもふを乗っけたルッチさんに遭遇した。思わず笑ってしまったのは仕方ないと思うんだけど……速攻謝りました。
しかし……ルッチさんを俺と同様ビビっている銀がべっとりくっついてる。一体何があったというのだろうか。
「ほら、行け」
ルッチさんに促された銀は、彼にぺこりと一礼してジャンプ。
そのまま何時もの定位置に戻ってきた。指で頭を撫でてやると、首筋にスリスリと体をこすりつける。うん、可愛い。
『すいません、いつの間にかどっか消えちゃって』
「……目を離すな」
『え？なんかあったんですか？』
「知らん。ただハットリがキレてやがる」
眉を寄せて怒ってると主張するように低く鳴く。
銀もブゥと低く鳴いた。これは激おこだ。めっちゃ怒ってる。
「相棒を怪我させるんじゃねえ、バカヤロウ」
『怪我？』
首を傾げる俺は無視して、背を向けて去って行ったルッチさん。
何があったのかと銀に聞いたが、フルフルと首を横に振るだけで教えてくれなかった。
五百七十六話目 「エアーなガンを舐めてはいけない」→←五百七十四話目 「おとといきやがれッポー！」
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コリー - おい作者ぁぁ………………………… なんでこんなに面白いんですか！！！むちゃくそに面白いじゃないですか！呼び捨てにしてすみません作者様！！ 宿題進みませんよ、まったく…書いてくださってありがとうございます！生きがいです！！(・▽・)♭ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 40d23dab50 (このIDを非表示/違反報告)
化け狸 - 十四章目……もう入るんスか早いっスねぇ( ・∇・) (2017年1月12日 19時) (レス) id: 9e16e8366e (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - もう容量MAXだと!?早いな〜 (2017年1月12日 19時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - クレアさん» さぁ〜どうでしょうｗお楽しみにです♪ (2017年1月11日 21時) (レス) id: 30b6b72099 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - シリアス入っちゃう？( ・ w ・ ) (2017年1月11日 6時) (レス) id: 582b981685 (このIDを非表示/違反報告)
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