SⅥN、海賊の世界に飛んだ一般ピーポーは最強と言う肩書を持ってしまいました。 (ページ47)

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五百五十七話目　「絶対安静の命令」ページ47

ハットリちゃんには全力でお礼を言った後別れた。
また遊ぶ約束までしてしまったので楽しみで仕方がない。
ベッドに戻って、貰った花を眺める。

『ハットリちゃんマジでかわいいなあ……あの可愛さが少しくらい飼い主にあったらいいのになあ』

……想像して怖かったのですぐにやめた。
というかルッチさんは俺のなにがそんなに気に食わないのだろう。
俺に対して機嫌が良かったことなど会ってすぐの時くらいだ。
あとは……任務先、倉庫の中で俺が爆弾を爆破させたとき。

『あの時はなんかノリノリだったな。暴れる直前だったからか？』

一度聞いてみるのもありなのだろうか。
どこが気に食わないんですかと……つーかこの聞き方変じゃね？
そもそもなんでルッチさんに気に入られようとしてんだよって仕事のためだわ。
ルッチさん関係のために毎回しがーんを恐れたくないし絶対食らいたくない。先だっての任務でマジ指銃の威力を見たからなおさらだ。

『考えても分からん。寝よ』

めちゃくちゃ寝にくいなうつぶせ！と一人文句を言いながら目を瞑った。

翌朝である。
朝っぱらからカクが遊びにくるわ、フクロウが噂を喋りたくてドアを壊す勢いで入ってくるわで凄かった。
ジャブラに至ってはノックなしで入って来たもんだから、丁度カリファに包帯を巻きなおしてもらっていた俺を見て真っ赤になっていた。いや、ドアに背中むけててよかったよ。
勿論、ジャブラはカリファに蹴っ飛ばされてましたが。

『ホントに休まなくていいですって。包帯巻いたら動けますし』
「ダメに決まってんだろ！絶対安静だ！！」
『えー、暇です長官』
「文句なら怪我させた張本人に言え」
『言った瞬間に命が儚く散ります』

昼間もこんな感じだ。様子を見に来た長官にコーヒーを淹れる。
部屋の中だけなら流石に歩き回っても文句は言わないらしい。頼むから零さないでくださいねと釘を刺せば、持ち上げかけたカップを渋い顔をして置いた。
珍しく、冷ましてから飲むらしい。

「さっき青雉殿から連絡があった。三日後、一旦本部に戻れだと」
『うげええ三日後？明日じゃダメなんですかね』
「安静にしろってことに決まってんだろバカ！」

普通ならそうだが、絶対他の理由があると踏んだ方がいい。
クザンは本当の俺を知ってるわけだし、背中斬られて大怪我したんで来るのしんどいなんて言うたまじゃないことくらい分かってるだろう。
少し考えたところで頭をよぎったピンク色に底知れぬ疲れを感じた。