SⅥN、海賊の世界に飛んだ一般ピーポーは最強と言う肩書を持ってしまいました。 (ページ42)

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五百五十二話目　「分かりやすい来訪者」ページ42

散々茶化した後、また明日じゃと笑顔で部屋を出ていったカク。
因みに、カクに茶化されている時にブルーノが来た。夜食にと言ってフルーツがたくさん載った皿を携えてだ。俺に体の調子など諸々の事を聞いて、くれぐれも安静にと長官にも言われたようなことを残して出ていった。
今はといえばフルーツ食べてます。銀にもリンゴを分けてあげた。

『美味しいなー……銀は？』
「キュイ！」
『ほれおかわり』

追加でわたせばまたシャリシャリと食べ始める。うん、可愛い。和む。
眺めていれば、銀の耳がピンッと立った。嬉しそうな眼を俺に向けてくる。
もしかしなくてもこの反応は、と思ったところでノックが鳴る。入室を促せば開くドア。

「まだ寝てねえな」
『ジャブラが来るとわかりやすいんだよな。主に銀の反応が』
「小動物には嫌われるんだがなあ」
『銀は小さいけど肝っ玉は宇宙スケールなんですぅ』
「そりゃあ飼い主に似たんじゃねえか？」

ギャハハと笑うジャブラの頬に傷がついている。まだ血がにじんでいることから、おそらく今日の大ゲンカとやらでついたものだろう。俺が見ていることに気づいたのか、ジャブラが傷に触れた。

「化け猫に引っかかれたんだよ」
『だろうね。どっちが勝った？』
「カリファに止められた。ま、手負いの相手を倒した所でな」
『男だな』
「だろ？それに比べアイツは……」

アイツ？と聞き返せば、ルッチの野郎だよと乱暴に答えを返された。
ベッドの横にある椅子に座り、舌打ちを鳴らしてから口を開いた。

「カリファがAが起きたと長官室に連絡してたろ」
『ああ、そういえば』

包帯を巻く前に電伝虫を使っていた。あれは報告だったのか。
じゃかったらあんなに早くフクロウや長官が来るわけもない。

「その時たまたま俺とルッチとカクが長官室に居たんだ、ルッチの野郎は……」

「丸一日じゃのう」
「なにがだ」
「Aが寝てる時間じゃよ」

仕事に時間ができ、庭いじりをする気もなかった俺は長官室にいた。
すると同じような理由でカクがソファに座り、長官は書類を書いていた。相変わらずコーヒーをぶちまけちゃあいるが、まあそれもいつも通り。
違うところと言えば、カクが頻繁に時計を確認することと、長官がせわしないということぐらい。Aの心配だろうが、俺はそこまではない。アレのことだから大丈夫だろという気持ちの方が大きい。
それでも、カクの半分ほどのペースで時計を見るくらいには心配しているが。