SⅥN、海賊の世界に飛んだ一般ピーポーは最強と言う肩書を持ってしまいました。 (ページ17)

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五百二十七話目　「遠慮するな(命令)」ページ17

「まずこれを見ろ。そして顔を覚えろ」

ルッチさんが取り出した写真は四枚。
いずれも男の人が映っている。あ、最後の写真だけ二人組だわ。

『誰ですか？』
「誰だと思う」

これはただ単に聞いてるだけか、それとも把握能力を試しているのか。
不思議なことを言ってしまうと指銃されそうだ。というか普通に怒られるのも勘弁だ。

『……間違ってたらすみません。革命軍一派の確認されてる人員だと思います』

きっと、おそらく、たぶん……と尻すぼみになりながらチラリとルッチさんを見れば、相変わらずの無表情。正解か不正解かを早めに言ってほしい。

「これで外したら海に叩き落としていた」

この人が言うと冗談に聞こえない。
つーか目がマジだから冗談でもなんでもないらしい。よかったよ俺、まだ海とお友達しなくてすんだよ。

「俺たちは恋人同士だ、今日と明日にかけて島を捜索する。早く終わればその分早く帰れる。質問はあるか？」
『えっと……本拠地は一か所だけですか？』
「なに？」
『え、あ、いや……やっぱいいです』
「遠慮するな、言え」

遠慮するなと言いながら既に命令形ですかそうですか。
マジで縮こまりながら口を開く。

『勘です』
「……そうか。ありえないこともないが、ここは長官から聞いたことを信じておく」

よかった怒られなかった。
ため息を零しそうになったが、ルッチさんが目の前にいるため控える。
不機嫌にさせそうな行動は極力控えたい。

「昼間は共に動くが、夜中は俺一人で探す」
『夜中は待ってればいいんですね』
「ああ、何かあったら電伝虫で知らせろ」

ポイッと小型の電伝虫を投げられたのでキャッチする。
今日はいつものヤツは持ってきてないので、間違えることは無いだろう。
プライベート用のやつは銀と一緒に異次元の中だ。

『そういえば、ハットリちゃんはどうするんですか？』
「船の中で留守番だ」

返事するように鳴いたハットリちゃん。
夜中は暇だろうから一緒に遊ぼうかと思ったが……そういう事なら仕方ない。

「あとはこれを持っておけ」
『……ナイフ？』
「いざとなったら使えなくとも使え」

最低限、自分の身は自分で守れと言うやつだろう。そんなセルフサービスは全くもってお望みではないが、文句を言えるはずも無い。

「分からないことがあるなら島に着くまでに聞け。その写真は覚えたら燃やしておけ」

因みに、島まではあと一時間ほどだと付け加えられた。
一時間あれば覚えるだろう。いや、覚えないと怖い。