【薄桜鬼】妹想いの兄 (ページ23)

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第二十一章ページ23

Aが嬉しそうに話しているのを見て一くんも嬉しそうに話した。

斎藤「ああ、そうだな。俺もAとの稽古は楽しい。手加減しなくていいからな。」

僕は少し気になる点が出てきた。

このふたりの関係は何なのかということを。

いつも二人で稽古してるし、よく話したりしてるし。
最近さらに増している感じがする。

総司「ねぇ、A。ちょっと一くんと二人にしてもらっていいかな?」

A「えっ･･いいよ。じゃあ、一くん今日はありがとうございました。」

僕はAが居なくなったのを確認すると早速本題に入った。

総司「一くん･･･Aのことどう思ってるの？」

僕は単刀直入に言った。

斎藤「どう思ってると言われても･･尊敬する人しか思っていないが･･･。」

一くんはごまかしているように見えた。

総司「本当に?」

斎藤「ああ･･それ以外に何があるんだ?」

総司「そっか･･･ならよかった。僕はてっきり一くんはAのことが好きなのかと思ったよ。」

僕がそういった時の一くんは若干動揺しつつあった。

斎藤「そっ･･･そんなことはない。俺がAのことを好きなどと･･･・。」

総司「わかったよ。変な話してごめんね。気にしなくていいから。」

斎藤「ああ･･･。」

僕はそう言うとその場から去った。
ただ一くんは好きじゃないと言っていたけど･･アレは嘘だと思った。
今思えば思い当たる事が度々あった。
よく一くんはAを見ていたし、巡察もよく一緒に行っていたし。
一くんは間違いなくAのことが好きだ。
Aにこの事を言っても一くんの気持ちには気づかないだろうけど･･僕にとっては嬉しくないことだった。

Aは誰にも渡せないから。
ずっと僕が守らなくちゃいけないから。

二度と危険な目に合わせないためにも。

兄として妹を守ることは当たり前だから。
以前井吹君がAに告白したらしいけどAは何のことかさっぱり気づいてなかったらしい。

何でそこまで恋愛のことには気づかないのかわからないけどひとまず安心した。