【薄桜鬼】妹想いの兄 (ページ22)

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第二十章ページ22

それからちょっとして僕たちは屯所に戻った。

今日も土方さんと一くんがAの調子の方を聞いていた。

結構二人共気にしているんだなと思った。

巡察が終わって僕は自分の部屋に戻ろうと思っていた。

Aを探していたけどなかなか見つからない。

というかAだけじゃない･･他の隊士もほとんど見当たらない。

近藤「おぉ。総司か。お前はAと斉藤君の稽古を見ないのか?すごいぞ～。」

前方から近藤さんが歩いてきた。

総司「えっ･･Aと一くんが稽古してるんですか?」

近藤「ああ。稽古試合みたいなものだよ。総司も見てきたらどうだ?」

珍しい光景だと思った。

総司「はい。見に行ってみます。」

僕はみんなが集まっている所に向かった。

すると･･･

(カキン!!)

刀と刀がぶつかり合う音がした。
普通は木刀で稽古をするはずなのに今日は刀だった。
僕は急いで見に行った。

二人は全く怪我などしていなかった。
なぜならお互い峰打ちだったからだ。

平助「さすがだな。Aは。一くんと互角だよな～。いや、それ以上の強さかもな。」

二人の稽古を見ていた平助はそうとう興奮していた。

原田「ああ。そうだな。あいつらはつえーよ。」

左之さんもハラハラしていた。

そこにいた全員が二人の稽古を見て盛り上がっていた。

斎藤「A･･･また強くなったな。今の剣はすごかった。」

A「一くんも相変わらず強いよ。手加減しないでくれてありがとう。」

Aと一くんは道場にいた頃から相当強かった。
よく二人は稽古をしていたのを覚えている。

総司「一くんとA･･お疲れ様。」

A「お兄ちゃん･･見ていたの?」

総司「僕は少ししか見れなかったけど、他の人たちはずっと見てたみたいだよ。」

A「そうなんだね。全然気づかなかった。。」

(普通は気づくはずなんだけどな･･･僕だったらすぐ気づくのに。)

僕は不思議に思った。

斎藤「総司･･俺たちの稽古はどうだったか?」

一くんは稽古の様子を知りたがっていた。

総司「うん。良かったと思うよ。二人共すごい楽しそうだったよ。」

二人はいつも楽しそうに稽古をやっていた。
何でいつも楽しそうにやっているからわからないけど。

A「だって一くんとの稽古はすごい楽しいですから。全く手加減をしてくれないから逆にそこがいいんだ。」

Aは嬉しそうに話していた。