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39話、葡萄酒 ページ40

「ふむ…、なら軽めのヤツを頼む、俺のはノンアルコールのを」
「かしこまりました。」
「ぇ…、煉獄さんは飲まな──ぁ、」


しまった…っ
口に出てしまってからの後悔
私はどうやって此処まで辿り着いたんだ!!?
てか煉獄さんが飲まないのなら尚更、私が飲むワケには──
慌てて口を摘むんだが、既に遅く
煉獄さんに笑われた


「そうだな!折角の君との楽しい一時だ…俺もご相伴に預かるとしよう」


そう言ってオーナーさんに手を上げ、それを見て一礼して退室するオーナーさん
いや、本当にスマートだな!
手を上げただけで理解する方も凄いけど、慣れてる感がすぎょい

ジュゥウ〜ッ

大きな鉄板の上で焼かれるお肉に大人しく視線を向けていれば小さく弾むような、とても楽しそうな声で煉獄さんは笑った


「まだ緊張しているみたいだな」
「凄い…っ夢みたいで」
「ははっ!今日は気楽に楽しんでくれればいい…勿論、楽しませるのは俺の役目でもあるがな」
「!そ、そこまで…っしてもらうのは……大丈夫です!楽しいですよ」
「嘘つきだな」


テーブルの上で頬杖を付きながら、へにゃりと緩んだ笑みを浮かべる煉獄さんに変な声が漏れないか心配するほどズキュンッと射たれた
その笑い方はズルいだろッ!?
内心では波乱万丈になりつつ、なるべく表には出さないように…
それでも眼は大きく見開いていた


「──失礼します。此方はフランス南西部・ボルドー地方原産メルロー種のシャトー・オー・バラデューなります」


トポポポッ


「メルロー種は柔らかく滑らかな丸みのある味わいでして、渋みが苦手な人や初心者の方でも楽しめる逸品になっております」
「……凄い…チョコの香り?」
「ほぉ、ちゃんとワインの楽しみ方を理解しているな」
「ま、まぁ…っ少しだけなら」


飯テロアニメを見ていた時に学んだ知識ですが…っ
オーナーさんのワインの説明を受けながら注がれた赤ワインに目を輝かせた
た、高くないよね?赤ワインって高いイメージしか無いんですけど……
ワインなんてボージョレヌーヴォーしか知らない私にとって説明された名前がどれ程のものかは知るよしもなかった
注がれたワイングラスを持ち、反時計回りにゆっくりと回して匂いを嗅いだ


ワインって香りを楽しんでから味を楽しむモノ──だったけ?


嗅いでみたらほのかに香る酸味に混じって伝わるチョコレートの用な香りに首をかしげた
ワインなのに不思議だ

40話、罪深き美味しさ→←38話、此処でもスマートですな



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(プロフ) - さやさん» 初コメ本当にありがとうございます!これって本当に面白いのかな?って時々、不安になるのでそう言って貰えると凄く嬉しいです!読んでくれてありがとうございますッ!! (2021年11月26日 21時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初コメント失礼します!めちゃめちゃ面白いです!!コン寿郎とか夢主ちゃんのノリとかすごく笑わせてもらいました(´▽`♡)続編の方、いまから読ませていただきます♪ (2021年11月26日 3時) (レス) @page49 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年10月23日 9時

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