３４話、待て待て待て！ ページ35
いや、まさによもや何ですけど…っ
試着室のカーテンから顔を出して店員さんを探そうとしたら、試着室の壁の前で寄りかかり電話を掛けてる煉獄さんと目があった
身体が固いことは重々承知していたから後ろでにあるファスナーの服は避けて通ってきた人生
まさかこんな日が来るとは……
半泣きになりながら煉獄さんに訴えれば、ちょっと呆れられてしまっただろうか
「はぁ、分かった…後ろを向きなさい」
「…うぅ、はい」
情けない気持ちで一杯になりながら後ろを向いた
ｼﾞｨｲｰｯとゆっくりファスナーを上げていく動作と締まっていく服の圧迫感
なんとも言えない緊張感に心臓の鼓動が煩かった
邪魔になった髪の毛を横に流してくれる煉獄さんの慣れた手つきに何も言えなくなった
ﾁｭｯ
「ヒゥッ！？」
「とてもよく似合っているな…他人がとやかくいう権利がないとは言ったが…ここまで見違えるっと…正直に驚いた」
「ぇ、……ぁ//あ、…はいっ//」
ファスナーが首もとまで辿り着くだろうその瞬間に首から感じた唇の感触とリップ音に身体が跳ねた
試着室に囲まれた鏡越しに見えた煉獄さんの視線がより心臓を締め付けた
な、なんだ？何なんだ？
その笑みはなんだ？
まさか褒められるとは思っても居なかったから逆に反応に困る
「とてもよくお似合いですよ！こんなにお似合いの方は初めて見ました！」
今日は始めて見たって？(殴)
店員さんの褒め言葉にも一応は照れておいた
これほど褒められるとは…流石はお高いお洋服ですこと
さてさて、お値段の方は可愛いのかし──ビックリするほど可愛くなかった
え？これ布ですよね？？
肌触りは抜群のただの布ですよね？？
値札を見て慌てて煉獄さんの方を見た
気づけば会計の方に居るではないか
待て待て待て！！
「れ、煉獄さん！待って！私こんなにお金…っ」
「ん？あぁ、気にしなくていいぞ！これは俺が勝手にしてることだからな！…さぁ、次に行くぞ！」
「へ？…ええぇっ！？」
別の店員さんから私が今まで来ていた服をお店のロゴ入り紙袋に入れられて渡された
ニッコリ微笑まれれば普通にドキッとしたし、圧巻する煉獄さんの行動力に着いていくのがやっと
っというより引きずられてるに近いです
「…ま─「待つ気はない！行くぞ！！」……おぅ、」
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棗(プロフ) - さやさん» 初コメ本当にありがとうございます！これって本当に面白いのかな？って時々、不安になるのでそう言って貰えると凄く嬉しいです！読んでくれてありがとうございますッ！！ (2021年11月26日 21時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初コメント失礼します！めちゃめちゃ面白いです！！コン寿郎とか夢主ちゃんのノリとかすごく笑わせてもらいました(´▽`♡)続編の方、いまから読ませていただきます♪ (2021年11月26日 3時) (レス) @page49 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2021年10月23日 9時
