32話、過小評価な生き方 ページ33
弱々しくなっていく覇気に視線は俯いてしまった
そうだ…私とこの人では住む世界が違う
気紛れに連れ出されたけど、今すぐにでも逃げ出したい
一瞬、静まり返った車内だったけどそれは直ぐにピリついた空気になった
「…なら君はどうしたら俺に釣り合うと?」
「ぅっ…た、例えば綺麗な服装でもっとスタイルも良くて…あと、こう…大人の女性?みたいな?…スマートで余裕があるような…煉獄さんの隣に居ても違和感がない綺麗な孤高の花って感じですかね」
両手で意味のないジェスチャーをしては、あたふたと妄想を語った
煉獄さんには綺麗な長い髪の毛を靡かせて艶やかな大人の女性が合っている
孤高の花が良いんだ
私はそれを眺める雑草…井の中の蛙で充分!
推しのために一応は女磨きはしてるけど、それ以上に武器を持った女は己の美を追求するためにお金と時間を使う
その差がこれだ!
苦笑いするようにヘラッと笑えば、丁度赤信号で車は一時停止した
頼むから失望してこのまま車から降ろしてくれ!!
「…そんな女は腐るほど見てきた」
「……(でしょうな)」
「俺と釣り合う為に服装を気にする事は間違っているぞ…服は己を着飾るものだ!自分が着たい服を着ればいい…それを他人がとやかく言う権利はないからな」
全く持って正論だし、その意見には拍手だってするさ
でも、それはイケメンだから言える特権ってヤツだ
腐るほど見てきたスタイル抜群の美女たちを相手にしてきた人から言わせれば私の悩みなど戯言にしか聞こえないだろうな
「君は本当に己を過小評価するのが好きらしいな」
「…好きと言うか、生き方の問題ですかね?」
「…ふむっ、そうか…よし!少し俺に付き合ってくれ!」
「行き先変更だ!」
そう満面の笑顔で言われ車はUターンして行き先が意図も簡単に変更された
一体なにに納得したと??
あと、降ろしくれないの!?
驚きの余り開いた口は閉じず、煉獄さんは楽しそうに笑っていた
えーっ!
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棗(プロフ) - さやさん» 初コメ本当にありがとうございます!これって本当に面白いのかな?って時々、不安になるのでそう言って貰えると凄く嬉しいです!読んでくれてありがとうございますッ!! (2021年11月26日 21時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初コメント失礼します!めちゃめちゃ面白いです!!コン寿郎とか夢主ちゃんのノリとかすごく笑わせてもらいました(´▽`♡)続編の方、いまから読ませていただきます♪ (2021年11月26日 3時) (レス) @page49 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2021年10月23日 9時