組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について

２０話、興味が湧いた ページ21

煉獄 〜視点〜









彼女を家まで送り届ければ、深々とお辞儀をされ
別れ際に


「……楽しみにしてます！」


なんて、可愛らしく言うものだから少しザワついた気がした
だが、俺に向けた笑顔とはまた別物の笑顔で山本に向かって手を振るモノだから一瞬にしてイラッとした
別に彼女に対して特別な感情など持ち合わせては居ないが、なんだ…？
他の女とは少し変わってるとは思っているが……
大抵の女は俺に媚びを売る態度しか見せない
それが当たり前だと思うぐらいには女をみてきた
だが、彼女は俺に媚びを売る以前に頼ろうともしない
唯一頼ってきたのが先程のくじ引きの件だった
無性にイラつく気持ちを誤魔化す様に移り変わる景色に視線を向けた


「兄貴ってあの子と話してるとよく笑いますね！」
「…そうか？まぁ、面白いとは思っているが…」
「へへっ」
「随分楽しそうだな」
「そりゃあ兄貴が楽しそうだったら俺も嬉しいッス！」


そう言って満面の笑顔で話す山本には呆れた
悪い気はしないが…
よく、笑う
確かに意識すれば笑っている気がする
彼女の行動が俺の予想をいい意味で裏切ってくれるのが楽しいのかもしれない
次はどんな反応をして俺を楽しませてくれるのか、Aに会うたびについ期待している気がする
俺の周りをうろちょろする女どもは決まってねだる物はブランド物が多く、たまに違うと言えばアクセサリーや化粧品
食べ物なんて与えられて当たり前の奴らばかりだった
それがどうだ？
彼女の場合は全然違った
果物なんて今までねだられた試しがなかった
寧ろ果物はオマケで本命は別の物──
それが普通
益々興味が湧いた


「アニメ？が好きな連中はみんな彼女みたいなものなのか？」

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