3話、目の前に推しが現れました ページ3
「……ちょ!?お前いきな──待っ!?」
「問答無──っ!?」
収まらない怒りのまま一発殴ろうと腕を振り上げた瞬間
視界が反転して、背中と頭に衝撃が走った
間髪いれずに右肩から鈍い痛みに靴で踏みつけれていると分かり、苦虫を噛み潰した表情のままゆっくりと瞼を開いた
──え?
視界に入ったのは綺麗な金髪と鋭い真っ赤な瞳
思わず息を呑んでしまった
堂々私の頭は可笑しくなってしまったのだろうか?
そう、精神科と眼科の受診を考えたくなるほどに目の前に居るその人物が見知ったキャラにそっくりだったんだ
「コン寿…郎…さ、ん?」
ふぅーー…っ
「おい山本!女に上を取られるとは情けない真似をするな」
「あ、兄貴ッ!!違ぇッスよ!いきなりコイツがッ!!」
「ほぉ…よもや言い訳か!いいぞ!俺の納得する内容なら聞くぞ?」
「…うぐっ!」
ヤッバいッ!!喋り方も少し似てるんじゃない?
いや、もしかしたら声も──って!!?
「ちょっと!!此処ッ禁煙!!本当にマジで煙草は止めてくださいッ!!臭いが付くからぁっ!!」
「……」
ふぅーーーっ!
私の嘆きも鼻で笑うように目線を一度合わせてから思いっきり私の部屋の方へと煙草の煙を吹き付けるものだから怒り爆発!!
抵抗したいのは山々だが、思いっきり踏みつけられている右肩のせいで動けない!
少しでも動こうモノならグリッと強く踏みつける力を込められた
「…ヴッ!」
「俺の部下が世話になったなお嬢さん?」
「…ッ!先に喧嘩吹っ掛けてきたのは…ッ!そっちだ、ろ…ッ!!」
「……ふっ、そうか!それは失礼した!」
「!」
少しでも痛みを和らげようと踏みつける足を掴み上に持ち上げるけど、それ以上の痛みが返ってくるものだから鈍い声が漏れた
私は悪くない
先に手を出したのはそっちだ!!
睨み付けながら息詰まる声を張り上げれば、ふっと右肩の重圧は消え去り
柔らかい笑みで今まで踏みつけられていた相手から手を差し伸べられた
──笑った顔もコン寿郎さんそっくりだ
コン寿郎さんそっくりなだけあって滅茶苦茶にイケメンな兄貴と呼ばれた人の手を掴み少しフラつきながらではあるが立ち上がり、ハッと我に返った
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棗(プロフ) - さやさん» 初コメ本当にありがとうございます!これって本当に面白いのかな?って時々、不安になるのでそう言って貰えると凄く嬉しいです!読んでくれてありがとうございますッ!! (2021年11月26日 21時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 初コメント失礼します!めちゃめちゃ面白いです!!コン寿郎とか夢主ちゃんのノリとかすごく笑わせてもらいました(´▽`♡)続編の方、いまから読ませていただきます♪ (2021年11月26日 3時) (レス) @page49 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2021年10月23日 9時