組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について

１９話、欲張りすぎた！ ページ20

ヤバい…オタクだと隠す気はないけど、流石に引かれたか？

内心ちょっと焦る
そんな焦ってる私とは打って変わって目を細めて楽しそうに微笑む煉獄さんがいた


「それより君の好きな果物はなんだ？」
「そうですね、つがる林檎が一番大好きですけど…この時期だと桃が旬ですよね確か…あーでも苺に練乳掛けて食べるのも大好きですっ！美味しいっ！」


桃なんて高くて絶対手は出せない
出せても缶詰が関の山だ
苺の練乳掛けは最高にうまい！たまにご褒美で買うときがあるが、至福の時とはまさにこの事だろうか？なんて思ってしまうぐらいには幸せだ
思い出しながらつい笑顔で語ってしまった
慌てて口元を隠した


「……そんなに嬉しそうに話されては仕方がないな」
「ぁ、あっ！すみません…っ！」
「何故謝るんだ？…少し時間をくれ、用意が出来たらまた連絡する」
「いつでも待てます！！」
「ふっ、そうか…楽しみにしているといい」


背もたれに深く座り直し、仕方がないっと言って何かを諦めたかのように笑われた
何だかソレがとても申し訳なく
本来ならいらないハズなのに、図々しくも欲張ってしまって…っ申し訳ないっ！
それにしても、よく笑う人だなー
笑顔だけ見ればヤクザだなんて分かんないや
ずっと見惚れている訳にもいかないので前を向き直した
バックミラー越しに山本くんと目が合えば、彼は楽しそうに笑った
ん？……んん、？？

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