282話、出来ると思った ページ38
「……?」
「此処なら平気だろう?…頼むから吐き出してくれ」
連れてこられた洗面台に私は言われるまま、口の中のモノを吐き出した
大量に出された水と一緒に流れ落ちていく白いモノを虚ろな眼で見ていた気がする
飲み込めなかった……っ
出来ると思っていたのに、出来なかった
ショックは思っていた以上に大きかったんだ
「……A、俺をわざと怒らせたいのは分かった……だが、やり方を間違えるな?いいな?」
「……うぅ、おぇ…っ」
「返事は…?」
「…はぃ"、」
わざと怒らせたのはバレバレだったのは…まぁ、認めるが
この痛いげにも苦しんでる姿を見て言う脅しであろうか?
涙目ですよ?わたし…?
「──それで、なんで " あんなこと " をした?」
「……それは、そのっ」
「ん…?言えないことなのか?」
いや…普通にその、笑顔が怖いんですけど…っ
なんて言えたらどれだけ良いだろうか
そんな私の無慈悲な訴えも虚しく、私は腹を決めた
「…杏寿郎さん…普段、優しいから…無理してないかな…って」
「わざと怒らせて手酷く抱かれたい…っと?」
「……はぃ、」
「はぁぁあ〜っ」
盛大なタメ息ありがとうございまーすっ!
杏寿郎さんは驚くほど気遣ってくれる
それが逆に不安にもなる
" 物足りないんじゃないか── "
ちゃんと私は杏寿郎さんを満足させているのか、
それが不安だった
頭をかいて下を俯く仕草に少しだけ怖くなり一歩、足を後ろに下がった
「…だったら尚更、俺を怒らせるな」
「……はぃ。」
「…俺が何に怒っているのか分かるか?」
「……バカな事したから」
「それは違う」
「君は俺のセフレではなく、恋人だ…それだけは理解してほしい」
両肩を掴まれて喰らうお説教には正直、頭には入ってはこなかった
恋人だからこそ我慢は良くないんじゃないですかね〜
って言えたら良いのに、
今は何を言ってもダメな気がしてならない
とりあえず、適当に私は頷いては謝った
杏寿郎さんがそれで良いなら、それで良いんだろう…
私が余計なことをしなくても満足はするならそれで──
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棗(プロフ) - 梅好きさん» 梅好きさんんッ!!なんとお優しいお言葉…ッ!!ありがとうございますっ!頑張りますね! (2022年2月5日 12時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
梅好き - 楽しみにしています!更新ゆっくりでも楽しみが続くので♡お待ちしております! (2022年2月1日 23時) (レス) id: 52503dd19e (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 梅好き(いつも返信すみません お大事になさってください)さん» 趣味の軽〜いフワフワな気持ちで書けるのが占ツイの良い所だと思っているのでッ!!梅好きさんの変態さんを私は読みたいですッ!(大声) いや〜自分の変態ぷりにたまに我に返る時がただあるので、更新が遅くなるのが申し訳ないがッ!書きたいんで書きます!← (2022年1月31日 0時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
梅好き(いつも返信すみません お大事になさってください) - 棗さん» 私は書ききる才能がなくて本当に棗さんや作家さんを尊敬してます!5の時でしたか!読んでいてキュンとしたので棗さんの変態さんっぷりが伝わってきたのかもしれないですねぇ。ニヤニヤ 今回もたまらんですっ!癖にささる!心理描写と展開がストライクですっ! (2022年1月27日 0時) (レス) @page39 id: 52503dd19e (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 黒猫さん» んなぁあっ!!黒猫さん!分かります!分かり身蒸かし芋ですよ!←(は?) 「さん」付けの破壊力を伝えたかったんです!!いや、ただの「変態」でも私は死にますけどッ!!変態なんてッ!!(大声)ゲスンゲスンッ 共感してもらえて嬉しいです♡ (2022年1月24日 17時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2022年1月2日 10時