組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について５

２０３話、浮かれちゃいますね ページ8

「さて、何処の店に──」
「あ！杏寿郎さん！まずコンビニに寄りたいんで……良いですか？」
「ん？勿論いいぞ！…確かこの辺に……何処でも良いか？」
「はい！」


カーナビを慣れた手付きで操作する手をじっと見ては、普通に凄いなぁーっと
機械音痴の上に車なんてあんまり乗らなくなった人生
カーナビの使い方など未知数だ
それを操る人すごい！感覚だった
とりあえずの目的地も決まり、漸く動き出した車に心臓が少し跳んだ
チラリと杏寿郎さんの表情を見てみたら、目尻を細めて何とも嬉しそうなことで──


「…嬉しそうですね？」
「Aとのデートだからな！浮かれるさ」
「……あ、」
「…よもや、よもや！浮かれていたのは俺だけか？」
「いや…っ！その！い、今ッ浮かれてます！浮かれてますッ！！」


それもそうだ！
よーく考えればこれもデートだ！！
お買い物デートだッ！！
全然、意識してなかった
杏寿郎さんの運転の方に気を持っていかれてた！！
ｼｭﾝっと冗談の様な落ち込み方をする杏寿郎さんに慌てて弁明したが 「頼むぞ？」 なんて、笑われた

デート、か……

改めて言われると少し照れくさい
誤魔化すように私は外の景色を見つめた















「何か欲しいものはありますか？…煙草とか？」
「いや…大丈夫だ！ありがとう」
「……ぉ、おんっ？」


ついでたからって理由で当たり前のようにリクエストを聞いてみただけなのに、お礼を言われるとは思いもしなかっただけに反応がぎこちなくなってしまった
にっこり笑顔でお礼を言われると、何もしてないのに気分が良くなるのが不思議だ
辿り着いたコンビニの店内に入り、初めて入る店舗なだけに少しだけ戸惑ったがお目当ての物を見つけれてホッとした


「…んっと、まぁ適当で良いか」


お目当ての物を片手に飲料水コーナーに向かって無難なカフェオレを２本手に取ってレジへ進んだ
こう誰かの為に買う瞬間って、改めてその人のコトをよく知らないなーって再確認してしまう瞬間でもあるな
っと思ってしまう




嫌いではないことを祈ろう…っ！
　
　

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