組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について５

２４２話、何時もと違う雰囲気 ページ47

本日も雨模様で梅雨の忘れ形見？ってふざけては、気を紛らせていた

今夜、噂の兄貴分さんから謝罪を受ける身になるのですが
この歳になって改まっての謝罪を貰うとなると正直、緊張だってする
勿論、ただの大人同士の謝罪ではなく
相手は極道なんですよ、奥さん……分かりますか？
気を紛らせてなきゃ、やってらんねぇんだわッ！！！
お陰さまで仕事はつまらないミス連続の嵐だった──






帰宅後




シャワーを済ませ、緊張の余り味のしないご飯を胃に流し込んだ
迎えに来る約束の時間までまだ少し余裕はあったが、その余裕がなんとも落ち着かなかった

服って……え？スーツ？正装の方が良いのかな？

普通に困った
とりあえず、検索するよね

謝罪 、服装 、女性

で出てくるのはビッシリっと決まった謝罪する女性の画像と詳細──


「……いや、私が謝罪するワケじゃねぇんだわ」


なんて、冷静になるのに時間が掛かるぐらいには少し時間が掛かった


結論、万が一にも逃げれるように動きやすい着なれた服が選ばれました。






「！？」


そろそろ迎えが来る時間だと思い少し早めに外に出たら案の定、既に見慣れた黒塗りの車が一台止まっていた
私に気づいて運転席から出てきた人物に驚かない方が無理だった


「ちょwww山さん！？どしたのそのスーツww似合わねぇーあははっ！！かっこいいよ！」
「──どうぞ、此方へ」
「？？」


いつもなら笑いの１つも、冗談さえも……良い反応すら返ってこない山さんの無反応ぷりに拍子抜けした
大きな傘をさされて慣れた手付きで後部座席に案内されたら、素直に乗ったが…なんか、モヤモヤする
運転席に乗り込んだ山さんを無言で私は睨み付けた


「……山さん、どうした？？怒ってるの？取っておいたプリン食べられちゃった？？」
「………はぁあ〜〜っ！！やめやめ！俺にはやっぱりムリです！」
「何がぁ〜〜？？」


盛大な溜め息と共に自己否定に手を振る山さんの行動にハテナが飛ぶ飛ぶ
漸く山さんが纏う空気が柔らかくなったことに少し安心していたら、身体を捻らせ此方に向き直って笑顔を向ける山さんに瞬きは大きくなった


「兄貴から聞きました！晴れて兄貴の女になれたそうで…おめでとうございますっ！」
「……ぁ、改まるな！改まるなっ！！恥ずかしいっ//」
「ヒヒッ！」

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