組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について５

２３２話、決断は変わらない ページ37

「──３つ目は俺ですら引くほどの頭のネジがぶっ飛んだイカれた連中達ばかりの集まりでな……オモチャにされた女を何度か見たことはあるが……ﾌｯ、直ぐに死ねると良いなぁ？」


あの連中を見ると、死ねるコトこそが最大の慈悲に見えてくるから不思議なモノだ
死ぬことによってはじめて解放される──
それほど惨たらしい扱いをされる


上等なモノをやれば、それなりに色を付けて金を寄越すイイ金づるではあるが……、


以前、部下数名を連れて行った時には何人かは吐き散らかすヤツも出たほどのレベルだ
それ以降は普通に飯が不味くなるから見学に誘われても、拒否し続けた
下手物好きの神経は理解できないからな

余程の事を仕出かさない限り、その手はなるべく取らないようにしてきた俺なりの情けだったが

今回は話が違う──

完全に震え上がったバカ女の顔を掴み視線を合わせれば、虚ろな目で希望など失くした
よく見に覚えのある実につまならない表情をしていた


「ﾌｯ……そう、怯えるな…楽しくなるだろ？」
「──ッ！？……んぎ、ぃッぁああああッ！！！！」
「こらこら、たった１枚で根を上げるな…お前のこの醜い爪で一体誰の女を傷付けたと思っているんだ？……ん？」
「はぁ……っフーッ！フゥ──ッ、はぁ…っはぁ」


余計なことさえしなければこんな事にはならなかっただろうに──
やっている本人が言えたモノではないが、同情ぐらいはしてやるさ
バカ女の鋭い爪を見る度に思い出すAの首筋に残った傷跡が…


その汚い声で一体、彼女に何を吐き散らかしたのか──





１枚──。



また、１枚──。



本来なら肉と爪の間に細い針を刺して情報を吐かせる──が、
今回は情報収集が目的ではない
ゆっくりと丁寧に爪を剥がしては上下に反転させ、状態確認をしては
剥ぎ取った爪をトレーに移し、再び次の爪にペンチを挟む
その繰り返しを時間をかけてやれば女のとち狂った叫び声がその場に響き渡ったがそんなことはどうでも良い
















何を叫ぼうが俺の決断は変わらないのだから──

２３３話、楽に死なせるな→←２３１話、無駄のない利用価値

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す