組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について５

２２４話、その場に居る誰もが哀れんだ ページ29

下っ端代表！片岡 〜視点〜


※ バーベキューの時に山さんと一緒に居た同期くんです。















本日、天候は曇りのち大雨！！
昨日の天気が嘘のような土砂降りに負けないぐらいに俺のテンションも下がっていた
なんせ、下っ端の俺がまさかの兄貴のお出迎えという大役を任された──っと言うより押し付けられた(先輩たちに)
こういう役回りは下っ端仲間であり同期の山本が適任だが、山本は兄貴の命令で別件に動いているから、代わりに俺の所に回ってきた
普段なら我先に…っと兄貴のお出迎えっという名のお供に立候補する争奪戦も今回は静寂を貫き通され、下っ端である俺のところまで回ってきた

今現在の兄貴の機嫌は微妙だと先輩たちは言う


・怒り狂っている


・不機嫌でいる


正直、みんなの意見は五分五分だった
だったら安全策で矛先が自分に回らないよう距離を取るって策が一番安全だ
俺たち下っ端には拒否権が存在していないから二つ返事で了承するしかない

例え、兄貴が怒り狂って八つ当たりしてくる可能性があったとしても──

それだけは避けたい
正直、まだ俺は死にたくないッ！

この世界に踏み込んでから死ぬことを恐れるのは言語道断だが、兄貴に関しては本当に別物だ
ましてや今回は規格外も良いレベルの案件だ


兄貴の女──Aさんに危害が加わった


しかも、俺たち組員の中から──


兄貴の女に手を上げるなんてバカな俺でもやっちゃイケねぇって事ぐらい分かってる
命の惜しい連中は絶対にやらかしちゃならねぇ絶対的ルール
それをあろうことか、組の中でも特に問題児で利かん坊の名が通った田中さんがやらかしちまった時は
自分のことのように肝が冷えた

酒が回ると手が付けられなくなる暴れん坊の特攻隊長！なんて、言われて
この煉獄組でも田中さんの暴れ馬は良い意味でも、悪い意味でもよく通っていた


問題行為も若はよく、目を瞑ってくれていた──。

だが、今回ばかりは──。


そう悲しそうな表情を浮かべ、俺に教えてくれた先輩も
死人のような虚ろな表情で項を垂れて椅子に座る田中さんを見つめながら話してくれた

これから先の待っている終着駅が見えているだけもあり、その場に居る連中みんなが田中さんを哀れんだ

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