組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について５

２０６話、情報戦で負けた ページ11

いや、いくら耐性のない私でもただ手を繋ぐだけでこんなに緊張はしない
指同士が絡み合う手の繋ぎ方に問題があるんだ
じと〜〜っと杏寿郎さんの顔を見れば楽しそうに目尻を細めていたから多分、確信犯だ

久しぶり入る庶民の味方感に漂う雰囲気にふわっと落ち着いた
とりあえず店内を一周しよう！っとの事で気分ルンルンで気に入ったものを探して居たら私の足は硬直した


いやいやいやっ！！！！まてまてまてッ！！！？
こ、これはどう言うことだってばよっ！？


私の視界が捉えたのは紛れもない現実で──
繋いでいた杏寿郎さんの手をスルリと逃げて、急いで携帯を開いて検索した


来週からじゃなかったか！？
いや、目の前に起きているのが現実であって……っ！
私が情報戦で負け、た……だとッ！？


情報を検索しても日付はバッチリあっている
つまり、私の勘違いだ──！
携帯をゆっくりと鞄にしまって
両手で顔面を覆った


「情報戦で負けたが……っ！これは神のお導きか…っ？」
「？…何かあったのか？」
「ぁ、企業同士のコラボ企画で生まれた商品の発売が今日からだったんですよ！私の確認不足で不意打ち喰らっただけです」


そう言ってお目当ての服を手に取る私

まぁ、杏寿郎さんには余り認知されない事だろうけど…

とても不思議そうに目を丸くしてるのが可愛い
だけど、そんな杏寿郎さんより可愛いのが今、手元にあるこの子だ！！


「まさか※ポ●モンコラボTシャツが今日からだとは……私としたことが不甲斐なし！！」


※社会的に消されたくないので、伏せ字します。


「……これはコン寿郎とはまた違ったキャラなのに…良いのか？」
「ん？…まぁ私がこよなく愛してるのはコン寿郎さんですけど、他にも平等に愛してる子はいますよ？」


不思議に首を傾げる杏寿郎さんに私も首を傾げた
確かに言いたいことは分かる
でも、他にも可愛らしい子は世の中には沢山居る
世界線が違うだけで、とんでもないほど無限に存在するキャラ達に胸を高鳴らせる日々だ

だが、最推しはコン寿郎さんだ！

それだけは譲らん！！
そんな私の決意など気にすること無く
何かを納得した杏寿郎さんはﾊﾟｧｯと明るくなった


「…ほぅ！それは浮気になるな！」
「……杏寿郎さんだってさつまいも大好きですよね？」
「あぁ！大好きだっ！！」
「でも他の物だって好きですよね？」
「…そうだな」
「浮気ですね」
「！！それは些か横暴すぎやしないかっ！？」
「…言ってることは同じですよ？」

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