組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について４

１９０話、分岐選択 ページ44

完全に私の敗けだ
持てる全ての拒絶を突破されれば打つ手はない
趣味の共有──は正直、深入りはしてほしくない
マジで、これはマジで…っ！
諦めてくれる前提で話してしまった反面、まさかのご本人様はノリノリなのだから困った


「……うーむっむっ！」
「ふふっ…どうした？まだ他にあるのか？」
「全然、納得してないんですが……どうして私なんかが煉獄さんを攻略出来たんですかね？」
「攻略？？俺がAを攻略したのではなく、か？」
「…ぁ、私に惚れた理由……って何ですか？？」


未だに納得出来てない
あの煉獄さんがたかが、堅気の娘１人に此処まで固執する理由が普通に気になる
私が煉獄さんの攻略ルートに入ったのは分かるが、特に何もせずに煉獄さんとの好感度が上がっていた事が腑に落ちない！
ちゃんと分岐ルートがあったハズだ！！
それが気になる

私の問い掛けに少し考える素振りをして、思い出し笑いをする煉獄さんに冷や汗が出た


そ、そんなに変な経緯だった…のか？？


普通に焦っていたら優しく語るように煉獄さんは口を開いた


「ただ、俺の期待を裏切った……それに惚れたんだ」
「んな、アホなっ！！」
「至って真面目に答えてる──他の女が望んだコトを全てAは覆し、俺の思い通りにさせてくれない女はAが初めてだった」


ただ、それだけだ──。そう言って私の髪を触る煉獄さんを私はただ見るコトだけしか出来なかった
まぁ、普通にそれで納得する私ではないよね？
笑って茶化したけど、本人は真面目だと答えるモノだから言い返せない
煉獄さんの見てきた女性達とは違う……だろうけど、私にそこまで魅力ある？？
そんな理由で良いんですか？？
期待値、高くね？？


「……煉獄さんの思い通りの行動を取っていたら今の私は此処に居ない…ってことですかね？」
「そうだな……一番最初に会った時に名刺を渡すこともなければ、街中で助けることもない…コンビニで会ったとしても見向きもしていないだろうな」


サラッと言われたけど、何だがそう考えるとゾッとした
１つの選択ミスがあればつまり、今の私は此処に居ない
裏を返せば、ミスがあればいつもの日常があったという──それは屁理屈か！

何だが……本当に凄い人に惚れられたなー

考えれば考えるほど自分でもびっくりするぐらいの分岐ルートがあった事に震えた

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