組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について４

１６７話、それなりの覚悟 ページ21

「……煉獄さんの女になるってコトはそれなりの覚悟が必要なんですよね？」
「………確かに否定はしない…俺の隣に立つと言うことは時に遊び半分では居られたない時だってある」
「………。」
「それでも俺は君に…Aには俺の隣に居て欲しいと願っている」
「………無理ですよ…私には……やっぱり」


何度も何度も頭の片隅で彩華さんの叫ぶ声が耳に残る
好きで居たいけど、私には覚悟が足りない
何もない──
なんの取り柄もないから
" 隣に居て欲しい " と言ってくれた煉獄さんの言葉は私には勿体ないぐらい嬉しい
だけど、私には無理だ
極道の──ましてやNo.２の隣に立つなんて無理な話だ
どうか、諦めて欲しい──そんな願いを込めて苦笑したが、私の願いは虚しく散った


「無理も何も──Aに拒否権なんてモノはないぞ？」
「…ん？」


抱き締められた腕を少しだけ上に持ち上げられ、自然と膝立ちになった
視線をそのまま落とせば、普段なら見ることが出来ない上目遣いの煉獄さんと目があった


拒否権はない──って言った？


ゆっくりと瞬きをしては、煉獄さんの言った言葉を繰り返した
けして聞き間違えてばない、よな？
固まる私を楽しそうに頬を緩ませた煉獄さんは続けた


「俺を此処まで本気にさせておいて簡単に逃れられるとでも思っていたのか？」
「……ぉ、およ？よ？」
「ﾌｯ……そんな甘い考え…出来なくさせるほど骨の髄まで叩き込んでやろうか？」


不適な笑み──
まさにそんな言葉が似合うほどの悪い笑顔で私のつるんつるんな胸に顎を擦り付けて笑う煉獄さんには私の笑顔も引きずった

本気にさせたつもりも無ければ、逃げれると本気で思っていた

背筋をｽｰｯとなぞる煉獄さんの手に思わず震えた
" 骨の髄まで── " そんな脅迫をする煉獄さんの言葉に、彼で無ければ笑い飛ばしていたところだが、この人はやると言ったらやる男だとご本人自ら公認していた
よって、冗談ではないことだけは確かだった
震えるように首を左右にとりあえず振っておいた
……待って！？
冷静に考えれば私、バスローブ１枚！！！
脱げば真っ裸！！
この体勢きつくね？ヤバくね？


「れ、煉獄さん？あの…そろそろ離れ…うぐっ！」

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