148話、それでも曲げられない理由 ページ2
これ以上やられたら本当にヤバいって思うから
罵声に足が竦む
頬から伝わる痛みにジワりと涙が滲んだ
痛い……ッ!
だけどこんな痛み、山本くんに比べたら平気だ…ッ!!
再び振り上げられた拳に目を逸らしちゃイケない
私は絶対に逃げないッ!!
「…っ!自分の女の言葉より組の…っ!自分の後輩の言葉に耳を傾けれねぇのかよ!!」
「ぁあ゛っ!?」
「確かに山本は先輩の女に手を上げた…そ、それでも先輩の女だって理解してるのにも関わらず無闇矢鱈に手を上げる馬鹿なヤツじゃないのが分かんねぇのかよ!?少しは理由ぐらい聞けやッ!!」
殴られる前に咄嗟に声を張った
正直、声が震えていた気がしてならない
分からない心臓の高鳴りが煩く鳴り響いていて、自分が今何を言っているのか全然頭に入ってこない
それでも今言わなきゃ絶対ダメだって事は分かっている
じゃなきゃ、山さんには申し訳が付かない
「あんま舐めた口聞いてンじゃねぇーぞ?このクソ女ぁあつ!──」
「……ッ!!」
「たな……お前何やってンだッ!!!?」
「お前ら押さえろッ!!!」
「田中お前死にてぇのか!!?」
胸ぐらを掴まれて今度こそ終わったっと思っていたその時
騒ぎに気づいた人達が駆け付けてくれた
田中と呼ばれた人は何人もの人に取り押さえられるも、それでも怒りは収まること無く──
「お前ら全員邪魔だッ!!!この三下は俺の女に掴み掛かったんだぞ!!?ぶち殺してやるッ!!」
「黙れって!!マジで誰に手を上げたのか分かってンのか──ッ!?」
「ぁ゛あ゛!?大体このおん…な、……あ?」
「Aさん…っだい…だ、っ」
強制的に引き剥がされた事で漸く緊張の糸がほどけ、その場に座り込んだ
殴られた頬が思っていた以上に痛すぎて正直あれ以上、声が出なかった
それでも、山さんがこれ以上傷付かないならそれでいい
声を出すのにもきっとツラいハズなのに…
心配してくれる山さんに返事を返す代わりに力なく笑って返した
「──゛田中……コレは一体、何事だ? ゛」
「わ、わか………っ!お、おれ…ッ!」
214人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - クロさん» そんな!?勿体ないお言葉…ッ!凄く嬉しいです!これから…だなんて、えへへ〜っ!すみません。ご期待に応えれる作品であれば幸いなのですが、これからもヲタクライフ強火で書ければ…!っと思っておりますので、少しでも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年12月7日 0時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ナキサさん» ナキサさんっ!!ありがとうございますっ!ナキサさんにそう言って貰えると嬉しいです!!応援もありがとうございますっ!日々、頑張っていきますっ! (2021年12月7日 0時) (レス) @page46 id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 私のお気に入りの作品の中で、一番好きな作品です。棗様、いつも楽しいお話をありがとうございます!若様とヲタクな夢主ちゃんのこれからを想像しながら毎日更新されるのを楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年12月6日 8時) (レス) @page39 id: 6871d01b79 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - イケメンな若様、最高ですね〜!夢主ちゃんとの関係値が好きです。応援してます! (2021年12月6日 1時) (レス) @page39 id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 梅好きさん» 梅好きさん嬉しい言葉をありがとうございます!優しい世界に泣きそうです!とりあえず、ティッシュをどうぞ…!とても恥ずかしい気持ちで一杯なのですが、そう言って貰えると本当に励みになります!これからも頑張りますで引き続きティッシュ片手に宜しくお願いします! (2021年12月4日 6時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:棗 | 作成日時:2021年11月28日 1時