１１７話、小さくても気持ちは伝わる ページ20
「………信用されてるのは嬉しい限りだが…っキツいな！」
「ん〜〜っ」
「絶対に他の男にはこんなことするんじゃないぞ？」
「…煉獄さんだから……煉獄さんなら信用…大事にする人ですよね？」
「…ﾊｯ！いい皮肉だな…っ」
信用なしでは出来ない取引が大人になれば数多く存在する
その中でも煉獄さんの生きている世界はより多くあるだろう
私なんかが想像もつかないほどの──
好きな匂いと暖かな温もりに睡魔が限界を迎えた
煉獄さんの心音が若干煩いけど、それも少しは心地好い
目が覚めたらきっと居ないんだろうなー
なんて心の片隅に思いながら落ちた
「 ────。 」
目が覚めた時には案の定、隣には煉獄さんは居なかった
時計を見れば日付が変わっていた
流石に居るハズもないだろうさ
まだ眠いけど、お風呂に入る為には起きなくてはならないダルさに渋々起き上がった
「…そう言えば、落ちる前になんか煉獄さん言ってなかったけ？」
夢か、記憶違いか──
どちらにせよ確認しようがないので気にしない事にした
携帯を見てみれば煉獄さんからの謝罪文がきていた
謝るのは私の方だが…
当たり障りのない文章を送り、嫌々風呂場に向かった
仕事終わり──
フラつく足取りの中、漸く辿り着いた我が城の階段を登り終え
癒しの空間──またの名を楽園に辿り着く前に私の足は立ち止まった
玄関前の横に小さな…とても小さな向日葵が咲いた植木鉢が置いてあった
新手の嫌がらせかとビビったが、よく見てみたら向日葵の隙間にメッセージカードが一枚挟まっていた
" 昨日のお礼だ "
そう、短い文だったけど直ぐに察しが付いた
「達筆だなぁ〜〜ふふっ」
向日葵が好きだと言えば
両手いっぱいの物を贈ろうとする煉獄さんに言った
" 小さくても気持ちは伝わる "
まさか、物理的にも小さい物を用意してくるとは思いもしなかったが──
大事に抱え込み、ニヤける頬を隠す間もなく私は玄関のドアを閉めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - さやさん» さやさん！ありがとうございます！んんッ！夜更かしはお肌の敵ですよ！(人の事言えない)キュンキュンして貰えて嬉しいです！じっくり読んで貰えて恐縮です。ご期待に添えれるよう頑張っていきますので、応援凄く励みになりますッ！！ (2021年11月26日 22時) (
レス) @page41 id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 1にコメさせていただいた者です！笑いながらキュンキュンしてじっくり読み進めていたらこんな時間に！( ; ･`д･´)やっぱりめっちゃ面白いです！煉獄さんのモード切り替えが(*´Д｀)お気に入り登録させていただいたので、これからも応援させてください(*´ω｀*) (2021年11月26日 5時) (レス) @page41 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：棗 | 作成日時：2021年11月21日 22時
