組織のNo.2は最推しに瓜２つだった件について２ (ページ45)

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９３話、何度もやれば上手くなるページ45

味見してみたけど、甘さが足りなかったのか？味がしない…
砂糖をもう少し入れてみたが、結果は変わらず

" ここで発動される味覚音痴──! "

「…美味しい…？いや、もう食べ過ぎてどれが正解なのか分からん！」

何度も少しずつ味見しては確認の繰り返しで、求めてた味が分からなくなったので…諦めた！
それから今回の大事な役割を果たすスティックこと、春巻きの皮！！
まさか春巻きの皮が彼処まで高いとは思いもしなかったが…
泣く泣く大切に取り出し、事前に用意した水で溶かした片栗粉と、さつまいものタネを小さな食卓用テーブルに持っていき作業開始だ！

「えっと…これで良いの、か？……おぉ！春巻きぽい！」

10等分にしたタネをスプーンでひと掬いして正方形の春巻きの皮の一角にちょこんっと乗せて包装紙の裏に巻き方の説明の元、巻いてみたら見事に異物の出来上がり！

「……意外と難しいんだな…大丈夫！まだあと９枚ある！」

黙々と作り続けていく内にコツが掴めてきた
最初の二個は…まぁ、聞くな！
三つ目から本領発揮した
見た目も大事だが、問題は味だ──！
もう、なるようになぁ～れ！って気分の方が勝っているが…
時計を見れば既に１３時は普通に過ぎていた

「……腹減った」

気づけば朝ごはんも食べずにノンストップ…脱線はしたが…動き続けている
息抜きがてらにお昼ごはん、ごはん
出来上がった芸術作品の春巻き達を綺麗に積み上げた皿ごとサランラップにくるんだ

客人を持て成したことなど皆無な私ではあるが
とりあえず、先ほど花屋で買っといて忘れていた花を作業机に飾った
花を飾れば少しは華やかになると思うからね！花だけに…
ちょっとは女子力ありますよーアピール！

「……ぇ？まだ５時間もあるの？」

此処にきてやってくる謎の余裕
寧ろよく此処まで頑張った事を褒めたいぐらいだ
余裕から生まれた睡魔がクラクラと首を揺らす

此処で横になったら負けるんだろうなー

自分の事だからよく分かってはいるが──
いや、いや！
ちゃんとした服に着替えて、化粧も直して…食材を切ったりなんなりすれば……いや、って言ってもオムライスだしなー
下手に気合いを入れるのもなんか違うしなー
徐々に瞼が重くなり、開く回数が減るにつれて抵抗力と弱まり
諦めて横になった

５分だけ…５分だけ──。