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80話、仕事の時間 ページ32

煉獄 〜 視点 〜 ちょっと痛い表現注意!













正直な所、自分でも驚いていた
彼女…Aの反応と行動…どれを取っても心を奪われる
何がなんでも必ず落とすと決めた


「……ククッ、」
「…何か良いことでもあったんですか?」
「ん?いや、なぁに…本気で落としたくなった女が出来ただけだ」


走行中の車の中で煙草をふかしながら機嫌良く答えれば、目を丸くする部下
普段なら仕事の内にも入らないどうでも良い理由で呼びつけられれば機嫌も悪くなるが、今日は特別に気分が高揚しているのが自分自身それが分かる
最初はただの気紛れだった
それが次第に興味から関心へ変わり
味見のつもりが、本気で喰いたくなった

" 俺の女にならないか? "

そう聞いた時、黙って頷けば " その程度の女だった " っとレッテルを張り付けていた
だけど期待を裏切ってくれる彼女は、責任を取るっと適当な事を言えば怒りを剥き出しにした
今まで何人もの女どもが望んだ言葉を吐いたつもりだったが、ソレは彼女のお気に召す物では無かったらしい
見事なまでに挑発に乗ってくれた嬉しさと共に、やはり普通の女とは違う喜びに思わずヘソを曲げる彼女に擦り付いた

本気で惚れた──。

そう、自覚した
…のだが、綺麗サッパリ俺の告白を振る彼女に益々引かれたのは言うまでもなく
本気で落とすことを忠告すれば、本当に嫌そうな顔をされた

今でも思い出す度に口元が緩む


──あぁ、早く会いたい。


そう思う日が来るとは思いもよらなかったが……


キィイッ


ガチャッ


「──応接室で待たせてある、っとの報告です」
「…はぁー、気が滅入るな」
「…不甲斐ない次第です…っ」
「──さて、仕事の時間だな」


幸せ気分を一気に降格させるには充分なほどの案件
お釣りだってくるだろう
開けられたドアから降り、深いタメ息とこれからのやる仕方がない仕事に意味の無い事を言えば心底、申し訳なさそうに頭を下げる部下の肩を叩いて事務所の中へ入った


ガチャッ


「! 煉獄さぁん!ずっと待ってたのにぃ!」
「…連絡も寄越さずに突然来られても迷惑だと言ったハズだが?」
「んんっ!ごめんなさいっ!でもぉ煉獄さんに連絡してもぉ〜返事くれないから…来ちゃったっ!」
「……そうか」


応接室のドアを開ければ、嫌でも臭ってくる香水の匂い──
それから媚びる声に表情が直ぐに落ちた

81話、アホ確定のバカ→←79話、同情を売るなー!



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作者名: | 作成日時:2021年11月5日 0時

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